月曜経済観測 訪日ブーム、地方への影響は 観光で地盤沈下歯止め 新関西国際空港会社社長 安藤圭一氏 2015/08/24 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合・経済面にある「月曜経済観測 訪日ブーム、地方への影響は 観光で地盤沈下歯止め 新関西国際空港会社社長 安藤圭一氏」です。

訪日ブームを円安による一過性のものとしてはいけない、とされながらも、爆買いという消費需要のカンフル剤として期待されている中国人観光客をターゲットにした話であり、いささか、説明の中心に据えている話題と提言にミスマッチを感じます。





 海外からの訪日客の増加が加速している。訪日ブームは、関西をはじめ地方経済にどんな影響を与えるのか。新関西国際空港会社の安藤圭一社長に聞いた。

 ――各地が訪日客の増加でわきたっています。

 「1~5月の訪日客の前年同期比の伸び率は首都圏の空港の31%に対し、関空は55%と首都圏の空港より高い。東京から来た人から『大阪は訪日客の動向はどうですか』と聞かれることがあるが、訪日客の増加による盛り上がりは東京より大阪の方が大きい」

 「韓国からの入国者数は2010年に成田空港を抜いて国内空港でトップになり、14年には香港からの入国者数も成田を抜いた。今年5月には中国からの客数も上回った。こうした状況を受け、ホテルの稼働率も大阪のほうが東京より高くなっている」

大阪に優位性

 ――好調の原因は。

 「大きいのは、中国の格安航空会社(LCC)、春秋航空が関空を路線網の要となる拠点空港にすると決めたことだ。1月から路線がどんどん増え、中国の就航都市数は35と成田を20上回っている」

 「LCCは機内が狭いため、長時間乗っているのはしんどい面がある。中国からみて、大阪は首都圏よりおよそ1時間近い。この差には優位性がある」

 ――経済面での波及効果はどうですか。

 「大阪の高層ビルの『梅田スカイビル』は海外の雑誌で紹介され、外国人が大勢訪れている。鮮魚店や青果店が並ぶ黒門市場も人気だ。地元産ではないが、空港内の店舗では抹茶味のいろんな菓子や岩手の南部鉄器が売れている。我々が必ずしも注目していなかったものが、海外の人の目で再発見されている。交流サイト(SNS)や口コミで広まっているようだ」

 ――観光ルートに変化はありますか。

 「以前は関空で降りた人が大阪から京都に行き、名古屋を通過して東京に行くルートが中心だった。最近は訪日が何度目かの人が増えたことで、関東に行かずに大阪や京都、奈良、和歌山などを周遊するケースも多い。大阪から京都、金沢に行き、岐阜を通って名古屋に行く人もいるなどルートが多様化している」

 「ずっと関西の地盤沈下に歯止めをかけることができなかったが、訪日客の増加で元気になってきた。これは地方創生の起爆剤になりうる。関西はそのモデルにならなければならない。アジアに近いという意味では福岡や沖縄なども同じように活気づいている。成長戦略は岩盤規制などがあって難しい面もあるが、観光部門は障害は少ない」

人民元安を注視

 ――中国が人民元を切り下げたことの影響は。

 「現時点で下げ幅は限定的なので、大きなマイナス要因にはならないとみている。さらに元安が進めば中国人の訪日観光や『爆買い』の需要が弱まる恐れがあるので、動向を注意深く観察する必要がある」

 「重要なのは、訪日客の増加を円安による一過性のもので終わらせないことだ。円高に戻っても日本に来続けてもらえるように観光拠点の価値を高め、通信事情をよくし、英語での対応を充実させる努力が必要だ」

(聞き手は

編集委員 吉田忠則)

 あんどう・けいいち 物流会社や保険会社と組み食材の輸出に尽力。63歳



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