月曜経済 観測米利上げ、今後のペースは 政策金利2%へ緩やかに 元CEA委員長 マーチン・ベイリー氏 2016/01/04 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合・経済面にある「月曜経済 観測米利上げ、今後のペースは 政策金利2%へ緩やかに 元CEA委員長 マーチン・ベイリー氏」です。





 米国がリーマン・ショック後に採用したゼロ金利政策を解除した。世界経済への影響を見極めながら、どこまで利上げを続けるのか。マーチン・ベイリー元米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長に聞いた。

年4回を下回る

 ――米連邦準備理事会(FRB)が9年半ぶりの利上げに動きました。

 「金融政策の正常化に踏み出す良いタイミングだった。0.25%の利上げが米経済や世界経済に大きな打撃を与えるとは思えない。問題はこの先も継続する利上げのペースだろう」

 「米経済は底堅くても、世界経済には弱さが残る。ごく緩やかな利上げにならざるを得ない。FRBは2016年と17年に、年4回ずつの利上げを想定しているようだ。すべては今後の経済情勢次第だが、それより少なくなると思う」

 ――現行年0.25~0.50%の政策金利をどこまで引き上げるでしょう。

 「サマーズ元米財務長官が最近、政策金利を3%まで引き上げれば、米国の景気後退が避けがたくなると話していた。私は2%を大きく超える水準まで持っていくのは難しいとみている。いまの米経済にとっては、2%程度が適正だろう。今後1~2年で景気後退に突入し、到達点がさらに低くなる可能性もある」

 ――世界経済は利上げの継続に耐えられますか。

 「欧州経済は低迷し、日本経済も弱さを隠せない。中国経済は極めて不透明だ。ブラジルやロシアのように問題を抱える新興国もある。世界経済が脆弱なのは確かだが、緩やかな利上げなら影響は限られる」

 「ただ景気の減速と多額の債務に苦しむ新興国の先行きは気になる。中国はうまく乗り切るだろうが、ブラジルはかなり心配だ。国際情勢の緊迫といった新たなショックが加わり、世界経済が困難な状態に追い込まれるリスクもある」

 ――米経済も盤石とは言い切れません。

 「米国では非農業部門の生産性が、05年以降の平均で年1.4%上昇した。これは1994~2005年の半分にすぎない。イノベーション(技術革新)の効果を測りきれないという問題もあるが、設備や教育、職業訓練などへの投資が停滞しているせいでもある。これに労働力の伸び悩みも重なって、米経済の実力を示す潜在成長率は1.75%程度まで落ちている」

成長促す減税を

 ――金融政策を正常化しても、持続的な成長を維持できる経済政策が必要なのではありませんか。

 「インフラ投資や法人税率の引き下げ、設備投資や研究開発の減税拡充などが効果的だ。科学技術関連の振興策も欠かせない」

 ――米国の物価上昇率が低いのも気になります。

 「ドル高や原油安の影響だけではない。労働市場の構造的な変化を反映し、賃金が伸び悩んでいるのも一因だろう。特別な技能を持たない中間層の受難、企業の国際競争の激化、労働組合の加入率の落ち込みなどが影響している」

 「だが労働市場は完全雇用の状態に近く、賃金も緩やかに上昇するはずだ。原油価格もいずれは反転する。FRBが目標とする前年比2%の物価上昇率に近づいていくと思う」

(聞き手はワシントン支局長 小竹洋之)

 Martin Baily クリントン政権下の1999~2001年にCEA委員長を務めた。70歳



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