東南ア、中国けん制へ傾く 米の関与拡大に呼応 インドネシア「南シナ海、懸念共有」/マレーシア「建設行為、不当な挑発」 2015/10/31 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際1面にある「東南ア、中国けん制へ傾く 米の関与拡大に呼応 インドネシア「南シナ海、懸念共有」/マレーシア「建設行為、不当な挑発」」です。





 【シンガポール=吉田渉】東南アジア諸国連合(ASEAN)が南シナ海で埋め立てを強行する中国のけん制に傾きつつある。駆逐艦派遣など米国の対中圧力強化に呼応し、「中立」を保ってきたインドネシアやマレーシアも対中批判を公言し始めた。中国は巻き返しを狙っており、11月に相次ぐ国際会議で米国との綱引きが続く見通しだ。

 ASEANが11月3、4日にマレーシアで開く国防相会議が公の場での米中攻防の第1幕となる。米駆逐艦が中国が「領海」と主張する南シナ海の人工島12カイリ(約22キロ)以内を航行してから初の大規模な国際会議で、日米中韓豪も参加する。米中は紛争当事国を抱えるASEANの支持をそれぞれ取り付け、主導権を握る構えだ。

 ASEANは米中双方に配慮する姿勢を続け、南シナ海を巡る紛争を巡って曖昧な対応を繰り返してきた。だが足元では中国の強硬な海洋進出への反発が目立つ。

 「南シナ海で緊張を高め、信頼を損ねる動きへの懸念を共有する」

 インドネシアのジョコ大統領は26日に開いたオバマ米大統領との会談後に共同声明を発表した。人工島に軍事施設の建設を進める中国が念頭にあるのは明らかだ。

 「南シナ海での中国の建設行為は不当な挑発だ」

 ロイター通信によると、マレーシアの軍高官は18日、北京の安全保障関連会合で中国を公然と非難した。

 ASEAN加盟10カ国の南シナ海問題を巡る対応は分かれてきた。(1)領有権紛争を抱えて中国を批判するフィリピン、ベトナム(2)米中両国に配慮して「中立」を決め込むインドネシアやマレーシア(3)中国の立場を支持するカンボジアやラオス――の3つだ。

 中立を保ってきたインドネシアなどが対中批判にカジを切った背景には米国の対中政策の転換がある。9月末の米中首脳会談で南シナ海を巡る議論が平行線をたどり、オバマ政権は「説得」から「圧力」に軸足を移した。

 「米国が関与拡大を明確にしたことで、中立国も対中批判を公言しやすくなった」(外交筋)。環太平洋経済連携協定(TPP)交渉が大筋合意に達したことで、米国との関係強化が経済成長に欠かせないとの思惑も背景にありそうだ。

 米や日本は東南アジアで11月中に開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)や東アジア首脳会議でASEAN支持を表明し、中国の埋め立て停止に向けて共同戦線を張る青写真を描く。

 ただ「中立国」の一つとみなされてきたタイは軍事政権を批判する米国から距離をとり中国に接近する気配もみえる。中国の習近平国家主席は11月上旬にベトナムとシンガポールを訪問し経済連携の拡大を通じて対中批判を抑え込む構えを示す。



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