東南ア各国、貿易で対米接近 中国の影響力抑制狙う 2017/10/24 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「東南ア各国、貿易で対米接近 中国の影響力抑制狙う」です。





 【シンガポール=中野貴司】シンガポールのリー・シェンロン首相は23日、ホワイトハウスで米国のトランプ大統領と会談した。大型の航空機購入契約を交わすなど、先立って訪米したマレーシア、タイの首脳と同様、貿易拡大を前面に打ち出した。東南アジア各国が貿易赤字削減を目指すトランプ政権の方針に沿う姿勢をみせた背景には、米国が同地域へ強く関与するようにし、中国の一方的な影響力拡大を避けたいとの思惑がある。

トランプ米大統領(右)とシンガポールのリー首相(中)はボーイング機購入契約式典に同席(23日)=ロイター

 リー首相「シンガポール航空は悪くないですよ。最高の飛行機をそろえようとしている」

 トランプ大統領「だからボーイング機を買うんだろ」

 シンガポール航空がホワイトハウスで、米ボーイングと総額138億ドル(約1兆5500億円)の航空機購入の契約を結んだ直後、両首脳は冗談を飛ばし合った。首脳会談では北朝鮮や南シナ海問題、イスラム過激派対策で連携を確認した。この場で潤滑油の役割を果たしたのが、巨額の商談だった。

 マレーシアやタイの首脳がそれぞれ9月12日、10月2日にホワイトハウスを訪問した際にもこうした光景がみられた。マレーシアのナジブ首相はトランプ氏との会談冒頭で、マレーシア航空が100億ドルを超えるボーイング機を購入する計画を表明。タイのプラユット暫定首相も首脳会談で、米国への積極投資を打ち出した。

 東南アジアの首脳が米経済や雇用への貢献を強調したのは「米国第一」を掲げるトランプ氏との関係強化に最も効果的なカードだからだ。特にマレーシアやタイは米国にとって貿易の赤字額が多く、トランプ政権によって今春「不公正貿易」の調査対象に名指しされた。貿易不均衡の是正につながる投資計画を打ち出すことで、これ以上の批判を避けたい考えだ。

 また、トランプ政権にアジア太平洋地域へ積極的に関与するよう促す狙いもあった。東南アジア各国には、米国が内向き志向を強めれば中国の域内での影響力が一段と強まり、パワーバランスが崩れるとの懸念が根強い。

 シンガポールのリー首相は23日の共同記者会見で、11月のトランプ氏のアジア歴訪に触れ「トランプ氏の訪問はアジアの友好国や同盟国にとって多大な意味を持つ」と強調した。中国やインドといった大国に挟まれた東南アジア諸国連合(ASEAN)各国にとって、米国の関与は地域の安定に欠かせない。

 国営投資会社の資金の不正流用疑惑がくすぶるナジブ氏や、オバマ前政権からの批判を受けていた軍事政権のプラユット氏にとっては、トランプ氏との会談で政権の正当性のお墨付きを得るという思惑も透けた。



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