株安歯止め 探る市場 日経平均7日ぶり反発 上海株は5日続落 中国の緩和効果疑問視も 2015/08/27 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合2面にある「株安歯止め 探る市場 日経平均7日ぶり反発 上海株は5日続落 中国の緩和効果疑問視も」です。





 中国経済の減速を背景にした株安の連鎖がひとまず止まった。中国の追加金融緩和を受けた26日の東京市場は買い戻しが優勢で、日経平均株価が7日ぶりに反発した。上海株は小幅安にとどまり、外国為替相場や商品市況も落ち着きつつある。もっとも緩和の景気浮揚効果を疑問視する見方は多く、混乱収束に向かうか不透明感はなお強い。

前日比570円高で取引を終えた日経平均株価
(26日午後、東京都中央区)

「反発力試そう」

 「持ち高の整理は一巡したようだ。反発力を試そう」

 ピクテ投信投資顧問の松元浩常務執行役員は26日、久々に日本株にまとまった買い注文を入れた。中国の景況感が回復するには、まだ時間がかかるとみる。だが株式市場に出てくる売り注文はかなり減っており、短期的には戻り局面になると読んだ。

 海外投資家の注文も「買いが増えてきた」(大手証券)。中国と関係の薄い内需株や下落のきつかった輸出株、訪日外国人(インバウンド)関連株への買い注文の多さが目立ち、パナソニック株や資生堂株は6~8%高となった。

 前日に中国が追加緩和を打ち出し、欧米株が買い戻される場面があるなど、株価が連日で急落する局面はひとまず終わった。続伸したインドネシアのジャカルタ総合指数のように、下げがきつかった新興国の株価も戻り歩調にある。

 だが市場動揺の芽が完全に摘まれたわけではない。震源地の中国・上海株式市場では、上海総合指数が5日続落した。取引時間中に節目の3000をいったん回復したが、買いの勢いは最後まで続かなかった。

 26日は中国人民銀行(中央銀行)が追加緩和したにもかかわらず、短期金利のうち、銀行間市場で取引が活発な7日物レポ金利が一時前日比0.39%高い2.95%に上昇した。

緩和効果を相殺

 人民元の先安観から中国国内から投資マネーが流出している。元安を食い止める目的で人民銀は断続的にドル売り・元買い介入をしており、これが金融緩和効果を相殺している。

 短期金利の高止まりを受けて人民銀は同日、短期流動性オペを急きょ実施し、市場に1400億元(約2兆6000億円)を供給した。市場では「利下げと預金準備率引き下げだけでは緩和効果が不十分だった」と受け止められている。

 26日の欧州市場では、主要な株価指数が小動きに終始した。米国ではダウ工業株30種平均が高く始まったが、値動きは不安定だ。

 SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは「確実に需要が増える財政政策が中国で出てこないと市場は安心しない」と指摘している。

米利上げ先送り必要

 海津政信氏(野村証券シニア・リサーチ・フェロー) 市場波乱の主因は2つある。1つは中国景気の減速や長引く原油安にもかかわらず、米連邦準備理事会(FRB)が年内の利上げを強く示唆したことだ。早ければ9月に利上げするとあって、割高に買われていた米国株の調整幅が大きくなった。

 2つ目は景気指標が悪化しているのに、中国が小手先の株価下支え策に終始したことだ。突然の人民元切り下げも新興国経済のリスクを高めた。

 株式市場はいったんは底入れするが、まだ不安定な値動きが続くとみる。本格反発には、FRBが世界経済の情勢を見極めたうえで利上げ時期を来年に先送りすること、中国が財政出動を伴う包括的な経済対策を示すことが必要だ。

 中国は自国内での欧米金融機関の活動を制限しており、不良債権問題が起きても世界に飛び火するとは考えにくい。この点がリーマン・ショックと違う。

日銀追加緩和の可能性

 菅野雅明氏(JPモルガン証券チーフエコノミスト) 今回の世界的な株価の急落は、中国経済に対する先行き不透明感がきっかけだ。中国経済の最大の問題は過剰設備を背景にしたデフレ懸念だ。25日に決めた利下げと預金準備率の引き下げでは力不足だ。預金準備率は引き下げ後でも18%でまだ5%程度の下げ余地がある。

 米国の金融政策も市場に配慮する必要がある。市場は12月の利上げの確率を50%程度しか見込んでいない。9月に利上げに踏み切れば、市場に大きなショックを与える。

 日銀も政策対応が必要になる可能性がある。1ドル=115円という円相場の水準がカギを握る。日銀の全国企業短期経済観測調査(短観)をみると企業の想定為替レートは115円程度にあり、これ以上の円高が進むと企業の減益要因となる。市場の動揺が続いて円高圧力が強まれば、早期の追加緩和で円高進行を止める必要があるだろう。

世界景気後退はない

 ロバート・フェルドマン氏(モルガン・スタンレーMUFG証券チーフエコノミスト) 中国発の連鎖株安で、世界の景気が後退するとはみていない。この数日の各国の国債利回りは大きく変動していない。景気不安が強いのであれば、利回りが低下しているはずだ。中国を理由に米国が利上げ時期を遅らせるとは考えていない。

 1997年のアジア通貨危機、2008年のリーマン・ショックのような金融不安につながる可能性も低い。危機を経験した世界の金融機関は自己資本を充実させ、新興国は経済改革を進めてきた。一国の混乱が世界に飛び火するリスクはだいぶ小さくなった。

 そうはいっても中国の経済規模は世界2位で、市場への影響は大きい。

 投資家心理を冷え込ませた原因を探ると、国営企業の改革遅れなどの構造問題に行き着く。中国は企業の資本効率改善といった成長戦略に取り組んでいく必要がある。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です