毎月分配投信、3分の1が減配 運用難で「過半が元本から」も 2017/1/ 11 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の投資情報面にある「毎月分配投信、3分の1が減配 運用難で「過半が元本から」も」です。





 国内の投資信託で主流の「毎月分配型」が転機を迎えている。2016年は全体の3分の1に相当する463本が分配金(株式の配当に相当)を下げた。不安定な為替相場や長引く低金利で運用成績が振るわず、元本を取り崩して分配金の過半をまかなう投信も8割に達する。毎月分配型は年金を補う目的で高齢者に人気が高く、家計への影響を懸念する声もある。

 毎月分配型は株式や債券を組み入れ、ファンド数は5年間で倍増した。投信評価や運用助言を手掛ける三菱アセット・ブレインズによると、昨年末で毎月分配型は約1400本。資産総額は34兆円を超え、株式投信全体の約4割を占める。このうち33%(463本)が昨年、分配金を下げた。

 リーマン・ショック直後の09年に分配金を減らしたのは29%。16年はそれを上回り、データをさかのぼれる過去10年間では本数、比率とも最も多い。

 特に苦境に立たされたのは海外の高利回り債券で運用する投信だ。年前半の円高で海外債券の価値が目減りし、対象商品の半数(111本)が減配した。新興国株式で運用する投信は39%(14本)、新興国債券を組み入れた投信も37%(82本)が分配金を下げた。

 分配余力が比較的高いとされる大型投信も例外ではない。フィデリティ投信の「フィデリティ・USリート・ファンドB」は資産総額が1兆5000億円規模と、国内投信では最大級だが、昨年11月に分配金を100円から70円に削減。「中長期にわたり安定的に分配できる水準を考慮した」という。1997年設定で毎月分配型のはしりとなった「グローバル・ソブリン・オープン」(三菱UFJ国際投信)は昨年8月、分配金を20円から10円に半減した。過去最低水準となる。

 毎月分配型は年金を補う目的で高齢者に人気が高い。販売合戦の過熱もあり、QUICK資産運用研究所によると、毎月分配型の8割が元本を取り崩して分配金の過半をまかなっている。グロソブの場合、分配金を再投資した場合でも基準価格は昨年1年間で3%強下落した。中長期投資が前提とはいえ、投資家は期待した収益を得にくくなっている。

 昨年11月以降、「トランプ相場」で株高・円安基調が続いているが、なお運用環境の不透明感は強い。17年に入ってもアセットマネジメントOneが「新光US―REITオープン」の分配金を約4年ぶりに下げるなど、「運用実態に合わせる形で分配金を下げる動きは当面続きそうだ」(ドイチェ・アセット・マネジメントの藤原延介資産運用研究所長)。

 金融庁も「実力以上」の分配金を出すファンドを問題視している。

 分配金の引き下げをきっかけに、個人投資家の注目が絶対的な運用成績や収益の安定性などに広がる可能性がある。運用の選択肢が「(年1回型など)毎月分配型以外の投信に広がっていきそうだ」(三菱アセット・ブレインズの勝盛政治シニアコンサルタント)との指摘は多い。



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