民泊解禁前夜(4)営業上限「年180日」の壁 2018/03/16 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の「民泊解禁前夜(4)営業上限「年180日」の壁」です。





町家が連なる新潟県上越市の高田地区。合同会社「雁木(がんぎ)のまち再生」代表社員の岩野秀人(61)は10日、民泊仲介サイトを運営する百戦錬磨(仙台市)の社長、上山康博(56)を出迎えた。「空き家が多い中心街の町家を守りたい」。こう訴える岩野に対し、上山は「町家は訪日客に人気が高い。体験プランと一緒に売ると効果的です」と助言した。

(画像:新潟県上越市の民泊は、少しの改修で済む町家を使う)

15日、民泊法の物件の受け付けが始まった。国内外から観光客を呼び込める民泊に期待が高まる。営業日数は「年180日」が上限。この規制に貸し手の評判は良くないが、工夫次第で乗り切れると考える人も多い。

岩野もその一人だ。雁木のまち再生では、少しの改修で使える町家を安く買い、物件の管理は移住者にまかせる。しゃにむに稼働率は追わず、「無理なく営めるようにする」(岩野)。

民泊法の施行で従来はグレーだった民泊の法的な位置づけが明確になる。これを機に参入する企業も出てきた。

地上24階のフィットネスルームで汗を流し、大浴場で疲れを取る――。ホテルのような設備を備えるサービスアパートメント「ビュロー品川」。運営会社のスペースデザイン(東京・港)は、近くここを民泊としても使えるよう届け出る。

物件は「賃貸住宅」で契約期間は1カ月以上。契約者の退去から次の入居まで空きが出てしまうことも多く、この空白期間を埋めるために民泊を導入する考えだ。営業日数の上限は「180日あれば十分」(企画部長の菅原勝巳、42)だ。

「日数の上限が気になるなら、民泊法ではなく旅館業法を使うのも一つの手です」。6日、都内のオーナー向けセミナーで行政書士の石井くるみ(31)が説明すると、詰めかけた30人の聴衆が熱心に耳を傾けた。

都市部の民泊で十分な収益をあげるにはどんな対策が必要か。民泊法ばかりに注目が集まるが、実は旅館業法も最低客室数の規制撤廃などで使いやすくなる。都内の女性(68)は「まず民泊法で運営してみて、様子を見ながら旅館業法に切り替えることも考えたい」と話す。

「180日」に合わせた計画か、賃貸住宅とのハイブリッド型か、旅館と両にらみか。最適な解は一つではない。生みの苦しみを超える知恵比べは始まったばかりだ。

(敬称略)

 馬場燃、大林広樹、清水孝輔、川井洋平、山本紗世、河野俊、下前俊輔が担当しました。



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