民進党、初の過半数視野 台湾立法院選が告示 「政権交代・強い与党」現実味 2015/01/06 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際2面にある「民進党、初の過半数視野 台湾立法院選が告示 「政権交代・強い与党」現実味」です。





 【台北=山下和成】16日の台湾総統選挙と同時に実施する立法院(国会、定数113)選が5日、告示された。総統選で独走する蔡英文主席(59)が率いる台湾独立志向の最大野党・民進党が、初の過半数獲得を視野に入れている。2000~08年の民進党政権は少数与党だったが、今回は議会でも多数派を握る「強い政権」になる見通しが強まっている。

中部でも優位に

 「立法院で過半数を取らなければ蔡氏は実力を発揮できない」。昨年12月30日の夕暮れ時、台湾中部、台中市の沙鹿区。民進党の立法委員(国会議員)候補、陳世凱氏(38)は、蔡氏と2人で撮影した写真を貼った選挙カーの前で約100人の支持者に訴えた。

 陳氏は14年末の台中市議選でトップ当選した若手の有望株。立法院選は2度目の挑戦だ。蔡氏をはじめ党内の大物も続々と応援に入っており、「有権者の関心が高まっている」と手応えを語る。

 迎え撃つ与党・国民党の現職、顔寛恒氏(38)は父親の地盤を譲り受けて13年1月の補選で初当選した。総統候補の朱立倫主席(54)が劣勢で逆風が吹くなか「個人の実力で勝つしかない」と覚悟する。「台中港に続く幹線道路を整備してきた」などと実績を訴え、地域をくまなく回る。

 台湾は地域で政党支持が分かれる傾向があり、外省人(中国大陸出身者とその子孫)が多い台北を中心とした北部では国民党が強い支持基盤を持つ。これに対し民進党は本省人(戦前からの台湾住民とその子孫)が多い南部で強い。中間に位置する中部の行方が、全体の選挙戦を占う重要なカギになるとされてきた。

与党候補は弱気

 台中はここ十数年は国民党が優勢だったが、総統選の前哨戦とされた14年末の統一地方選で民進党の林佳龍市長(51)が誕生した。今回の立法院選でも、民進党は「中部の勝利は台湾全土の勝利だ」(台中市党部の劉文欽・主任委員)として最重点区と位置付ける。

 台中は8選挙区のうち現在は国民党が5議席、民進党が3議席だが、民進党が過半数を制する可能性が高まる。ある国民党候補の選対本部幹部は「総統選は民進党に投票しても、立法院は国民党候補を選んでもらう『分裂投票』に期待するしかない」と弱気だ。

 民進党は00~08年の陳水扁政権時代は少数与党にとどまり政治の停滞を招いた。過半数を取れば苦い過去を繰り返さずに済む。中国は独立志向の民進党へのけん制を繰り返しているが、議会で多数派を握れば「中国も蔡氏を揺さぶるのが難しくなる」との見方がある。

 国民党は昨年10月中旬に総統候補を、支持率が低迷する洪秀柱・立法院副院長(国会副議長、67)からエース格の朱氏に急きょ差し替えた。朱氏の出馬で「せめて立法院は過半数を確保したい」との狙いがあったが、台中では「混乱に失望した支持者が離反した」(顔・立法委員)との声も上がる。

 朱氏が市長を務める北部の新北市でも民進党の議席増が確実視される。国民党幹部も「現時点では50議席が目標」としており、過半数割れを覚悟しているのが実態だ。



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