注目企業 投資家に語る(4) 国内事業、来期増収へ 資生堂 前田新造会長兼社長 2013/11/30 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の投資・財務面にある「注目企業 投資家に語る(4) 国内事業、来期増収へ 資生堂 前田新造会長兼社長」です。





 資生堂の収益が回復してきた。コスト削減と円安を追い風に、10月末に2014年3月期の連結営業利益を前期比54%増の400億円へと10億円上方修正した。再成長への足場を固めるために、国内と中国で事業の立て直しをどう進めていくのか。前田新造会長兼社長に聞いた。

 ――国内の収益改善は進んでいますか。

 「春からグループ全体の問題点をすべて洗い出した。各部門が提出した再生プランを経営会議で議論し、売上高など、KPI(重要な目標達成指標)を細かく定めた。定期的に評価を繰り返し、達成できなければ整理するかどうか考える」

 「大事なのは売上高を伸ばすことだ。美容部員の削減はしない。来期から国内が増収に転じるので、人件費比率を改善できる。右肩下がりだった国内市場は緩やかに回復するとみており、1桁台前半の伸びを目指す」

 ――どう国内売上高を増やしていくのですか。

 「中価格帯『マキアージュ』など主力品に投資を集中してきた効果は表れてきた。ただ国内事業は今期1%増収を見込んでいたが2%減収になりそうだ。流通在庫を削減するための出荷抑制や店頭からの商品回収が110億円の減収要因となる。来期はマキアージュを含めて3つの主力ブランドを大幅に刷新、高齢者向けの新ブランドも出して、(今期で8期連続で減収見通しの)国内事業を増収にする」

ネット通販カギ

 ――反日デモから1年が過ぎましたが中国の販売は回復しましたか。

 「主力の高級化粧品『SHISEIDO』は資生堂の名前を冠しているため、買うのをためらう女性がまだ多い。最悪期は脱したが、足元の緊張はまだ続いており、反日デモ前に戻るまでは少し時間がかかる。百貨店向け『オプレ』と専門店向け『ウララ』の2つの現地ブランドに投資を集中させる。現地生産なので採算がいい。オプレは来期に大幅刷新する」

 「周りの目を気にせずに買うことができるネット通販もカギを握る。シャンプーや低価格化粧品に加えて、今後は高級化粧品にも広げる。出荷抑制で在庫削減も進め、来期は新商品を拡販していく。今期の中国事業の営業利益率は目標の10%に届かないが、来期には10%台に戻す。中国でも人件費が上昇しているが増収で吸収したい」

配当性向40%に

 ――今期は上場来初の減配ですが来期以降の配当政策はどうですか。

 「中国や東南アジアなど成長市場の開拓に資金が必要となる。10年の米化粧品大手のベアエッセンシャル社の買収に伴い、13年9月末時点で1778億円に膨らんでいる有利子負債の削減も不可欠。配当性向が100%を超える時期が続いていたが、今後は配当性向40%を維持し、利益の伸びに応じた株主還元をしていく」

 「来期スタートする中期経営計画を策定している。過去2回の中計では連結営業利益率10%を目標にしてきたが、前期で4%と未達成のままだ。同利益率10%はグローバルで戦うために必要なライン。攻めの姿勢で近づけたい」

(聞き手は栗本優)



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