炭素系新素材、価格半分に 大ガスが新技術確立 スマホ・自動車、軽量小型化 2016/01/05 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の企業総合面にある「炭素系新素材、価格半分に 大ガスが新技術確立 スマホ・自動車、軽量小型化」です。





 大阪ガスは炭素系の新素材「グラフェン」の価格を半分に引き下げる技術を確立した。これまで必要だった真空を保つ装置などをなくし、黒鉛から低コストでつくれる。年内にも本格生産を始める。ノーベル賞の受賞テーマとなったグラフェンは強度が高く、熱や電気を通しやすい次世代素材と期待されている。自動車軽量化やスマートフォン(スマホ)小型化につながりそうだ。

ADEKAが製造したグラフェン

 大ガスは高純度の黒鉛からグラフェンを取り出す技術を開発した。石炭由来の「フルオレン」という物質を水などと混ぜて添加剤に使い、黒鉛と高速で衝突させてグラフェンを取り出す。

 樹脂メーカーや電子機器メーカーなど約10社に試験提供を開始した。年内にも本格生産し価格を1キログラム1万円以下に抑える。当初は大阪市内の研究所で生産する見込みだが、受注量増加などをふまえ生産設備増強も検討する。新しい手法では生産性も従来の2倍以上になる。

 従来は真空にした装置の中に炭素を含んだガスを充填し、炭素原子をつなげてグラフェンをつくる手法が一般的だった。真空状態に保った装置で製造するためコストがかさみ、価格は1キログラム2万円以上だった。

 ADEKAも東京大学から製造技術のライセンスを受け、グラフェンの商業生産を2020年までに始める。黒鉛を特殊な化学薬品と混ぜて、マイクロ波を当てて黒鉛からグラフェンを取り出す。ADEKAも量産で1キログラム1万円程度まで引き下げられるとみている。

 価格が半分になれば、産業界では特性の高さから利用が進むとみられている。樹脂に混ぜて、強度が高くて軽い自動車部品の素材として活用できる。スマホの放熱材・導電材、タッチパネル、電極などでの実用化も期待されている。

 炭素系では炭素繊維が航空機向けに伸びており、東レなどが大きなシェアを確保している。次世代素材であるグラフェンでも日系勢が技術力を生かして世界的に需要を掘り起こしていく。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によると、グラフェンの市場規模は13年に世界で13億円。高価なため一部でしか使われていない。量産効果による値下がりなどで、30年には市場規模が1000億円に拡大するとみている。



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