無印、インドで元気印 財閥と旗艦店、現地で調達 2017/5/13 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のアジアBiz面にある「無印、インドで元気印 財閥と旗艦店、現地で調達」です。





 生活雑貨・衣料品店「無印良品」を展開する良品計画はインドで地元財閥リライアンス・インダストリーズ(RIL)との提携を深める。同社の協力を得て商品を現地調達し、売り場が従来店の約2倍の旗艦店を出す。急速に普及したスマートフォン(スマホ)のアプリでも連携を探る。昨年進出したインドでは客単価が日本の2倍以上と好調だ。高コストなどの問題を二人三脚で克服し、市場開拓を加速する。

画像の拡大

買い物客でにぎわう無印良品の文具売り場(5日、ニューデリー店)

 「シンプルなデザインが好きだね」。5日に開いたニューデリー店。建築家のチャナキャ・カランさん(32)はこう言い、メモ帳やファイルを次々と買い物カゴに入れた。夫婦で計1万ルピー(約1万7千円)分も買った別の客は「高いけど品質がいいよ」と話す。

 同店はインドで3店目。インドでは1人当たりの購入単価が高く、昨年8月にムンバイに開いた1号店は3000ルピー(約5300円)と日本の客単価の2.3倍だ。

■想定上回る好調

 松崎暁社長は「消費者の成熟ぶりを感じる」と語り、簡素さや実用性を重視した商品が受け入れられたことを喜ぶ。既存の2店に「想定を上回る売上高だ」と自信を深め、事業展開を加速する。

 18年に売り場面積が700~1000平方メートルの旗艦店をムンバイ市内に出す考え。スーパーなども手掛けるRIL側が中心となって大型店にふさわしい候補地を探す。

 既存のムンバイ店に比べ約2倍のニューデリー店でも、売り場面積は約440平方メートル、品ぞろえは約2500点。日本などの無印の標準的な規模の店舗では衣料品と生活雑貨、食品など7900点強あり、インドの品数は少ない。

 品ぞろえを増やすために商品の現地調達にも着手し、担当者が視察を始めた。仕入れ先も協力工場も「すべてRILの紹介」(松崎社長)だ。

画像の拡大

 インドは外資の小売りへの規制が多い。無印良品のような単一ブランドなら単独資本で進出できるが、外資比率が51%を超えると商品原価の3割を現地調達しなければならない。良品計画は51%出資の合弁をRILと組むことで、日本の小売業の先陣を切ってインドに進出する道を選んだ。

 現地調達品は現在、全体の1%以下。東南アジアなどからの輸入に頼り、関税や輸送コストが加わることで、価格は日本の約1.7倍となっている。現地調達には価格を下げ、より幅広い客層を取り込む狙いもある。

 スマホ向け無料アプリ「MUJIパスポート」の配信も年内に始める。買い物や入店でマイルを獲得でき、一定のマイルがたまると買い物に使えるポイントと交換できる。中国や韓国に比べ早い段階での配信開始だ。

■衣料は振るわず

 RILは昨秋に「Jio(ジオ)」ブランドで携帯電話事業に参入し、低価格を武器に1億人の利用者を獲得した。ジオとの連携も視野に、松崎社長は「他国ではやっていない電子決済もアプリに盛り込みたい」と語った。従来、年1~2店としていた出店は「年2店以上」とピッチを上げる考えも示した。

 ただ、稼ぎ頭の一つの衣料品はインドで振るわず、特に婦人服の売り上げが良くない。文具などでは簡素さが受けたが、服については「派手好きのインド人に受けるかどうか分からない」(ニューデリー店に来た女性客)という声も根強い。

 インドは欧米のファッションブランドも多く、消費者の選択肢は豊富。アパレル世界大手のインディテックス(スペイン)はインド財閥タタ・グループと合弁で進出。16年1月時点で「ZARA」を17店を構える。米ギャップも現地企業と組みインドで11店を運営。今後、現地生産を始めて価格引き下げを狙う。

 ユニクロも進出を検討しているもようで、出店地の選定や商品調達、価格設定を慎重に見極めているとみられる。良品計画の戦略の成否は13億人の巨大市場を狙う日本企業の関心を集めそうだ。

 ムンバイ=早川麗



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です