物価低迷 悩む日銀 15~16日に決定会合 追加緩和には慎重論 2016/06/12 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞総合・経済面にある「物価低迷 悩む日銀 15~16日に決定会合 追加緩和には慎重論」です。





 日銀は15~16日に金融政策決定会合を開く。景気回復は勢いを欠き、物価2%目標達成への道のりはなお見えてこないが、日銀内では今のところ追加の金融緩和に慎重な意見が多い。銀行などがマイナス金利政策に猛反発し、金融緩和のハードルが一段と高まるなか、限られたカードをいつ切るかの判断は難しさを増している。

 日銀は今年1月にマイナス金利政策の導入を決めたが、その後の物価の足取りは力強さを欠いている。消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く)の上昇率は2カ月連続でマイナスとなり、原油安の影響を除いた指標でみても上昇率は2%から遠ざかっている。

 物価上昇のカギになる賃上げが前年実績を下回り、スーパーの店頭価格などをみると企業は値上げに及び腰になっている。企業や家計が「物価はやはり上がりにくい」と感じ始めており、日銀が掲げる2017年度中の物価2%目標達成はかなり微妙になってきた。

 それでも日銀内で追加緩和への慎重論が強いのは、緩和のハードルが高まっているためだ。三菱東京UFJ銀行が国債市場特別参加者(プライマリー・ディーラー)の資格返上の方針を固めるなど、マイナス金利政策への金融機関の反発は強い。企業や家計も突然のマイナス金利政策導入に動揺しており、マイナス幅を現在の0.1%から広げても大きな効果が得られるとは限らない。

 現在年80兆円の国債の購入量を増やす手もある。ただ日銀はすでに総発行額の3分の1を買い占めており、買い取りのペースを上げれば、市場の国債が干上がる時期も早まる。緩和の限界を自ら手前に引き寄せることになりかねない。

 市場では上場投資信託(ETF)の購入拡大への期待もあるが、ETFの買い取りだけを増やせば相場への露骨な介入と受け取られてしまう。

 問題はこうした高いハードルを覚悟したうえで、あえて追加緩和に踏み込むほど、経済・物価情勢が危ういかどうかだ。黒田東彦総裁は「必要があればちゅうちょなく追加措置を講じる」方針で、デフレに逆戻りするリスクが高まっていると判断すれば、銀行がいくら反対しようとも追加緩和に動くとみられる。

 日銀内ではひとまずマイナス金利政策の効果を見極めたいとの声が多い。原油価格の反転で市場の動揺も収まってきた。好調な企業収益と人手不足を背景に夏のボーナスにも期待できそうで年後半には物価が再び上がり始めるとみている。

 6月23日には英国の欧州連合(EU)離脱を巡る国民投票があり、その前に緩和に動いても投票結果次第では無駄弾になりかねない。安倍政権からの緩和圧力もさほど強まっていない。日銀は14~15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果や円高の勢いを見極めたうえで、追加緩和するかを最終判断する。



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