生産性孝 危機を好機に(3) 新入社員はロボ 大転換、逃げず に対峙 2017/11/29 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の第一面にある「生産性孝 危機を好機に(3) 新入社員はロボ 大転換、逃げずに対峙」です。





 「日生ロボ美 趣味…みなさんのお手伝い 特技…タイピング・入力作業」。日本生命保険の職員紹介冊子には一風変わった同僚が載っている。ロボ美はロボットのようにデータ入力などを自動処理するソフト。能力は25人分だ。「私たちの仕事はどうなるんだろう」。日生の事務センターで働く西村あずささんは2014年にロボ美を初めて導入した日を今でも鮮明に思い出す。

日本生命保険の職員紹介冊子には、オフィス業務の自動処理ソフトのキャラクターを掲載している(東京都文京区)

 同社はロボ美を冊子に載せる理由を「一人の仲間として迎え入れるため」と説明するが社員の不安を殊更にあおらないための配慮にも映る。米マッキンゼーは25年までに世界で1億人以上のホワイトカラーの仕事を自動化ソフトが代替すると予測する。

 今後、多くの仕事で人から人工知能(AI)やロボットへの代替が加速する。米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏は「人と同じ量の仕事をするロボットには、人と同じレベルで課税すべきだ」と語る。ロボット税を失業者の支援に回すという発想だ。生産性革命は社会のありようそのものを変えていく。

 金融とIT(情報技術)を融合したフィンテック。米大手銀シティグループは「25年までの10年間で欧米の銀行員の3割が職を奪われる」と予測する。店舗の閉鎖などで雇用減につながるフィンテックに慎重だった国内銀行もようやく重い腰を上げ始めた。

 「1万9000人を実数で減らす」。今月13日のみずほフィナンシャルグループ(FG)の決算記者会見で、佐藤康博社長は打ち出した。他のメガバンクは「業務量」の削減にとどめていたのに対し、みずほは実数に踏み込んだ。「そこまでうちは厳しいのか」。社内に動揺が走った。

 佐藤社長は「決済や送金など伝統的銀行業務が新しい参加者によって侵食されていく」と危機感を隠さない。新たな競合相手に対抗すべくAIなどの活用を加速する。

 ひるんでも技術の進歩に企業は対峙せざるを得ない。例えば、NTTの場合、社員が最も多かったのは1979年(昭和54年)の32万8700人。大半が固定電話事業に携わっていた。

 固定電話の契約者数は97年をピークに減少に転じたが、その前からNTTは自然減で徐々に社員を減らしていく。今では固定電話事業を担うNTT東日本・西日本の社員数は合計約6万人にすぎない。

 一方、2000年以降に情報システムが主力のNTTデータの社員は13倍、携帯電話のNTTドコモは2.4倍に増えた。NTTの連結ベースの社員数は27万5000人(3月末)。単純計算で新事業が20万人規模の雇用を生み出した。

 変化の激しい時代。NTTの時のように自然減でゆっくりと人を減らしていけるとは限らない。それでも技術の進歩は待ってくれない。必要なのは変わる覚悟だ。



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