米の保護主義懸念 カトラー前USTR次席代表代行 TPPは年内承認見込む 2016/04/27 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際1面にある「米の保護主義懸念 カトラー前USTR次席代表代行 TPPは年内承認見込む」です。





 【ワシントン=河浪武史】環太平洋経済連携協定(TPP)で対日交渉を担当した米通商代表部(USTR)のカトラー前次席代表代行は、日本経済新聞の取材で、米大統領選でのTPP反対論について「論争は保護主義の色彩をより強めており、世界経済全体に悪影響がある」と懸念した。米議会のTPPの承認時期は「年内だとなお楽観視している」と述べた。

 カトラー氏はTPP交渉が昨年秋に大筋合意した後にUSTRを退き、現在は民間調査機関の副会長を務める。米大統領選では共和党のドナルド・トランプ氏らが、TPPへの反対論を掲げる。カトラー氏は「大統領選の論争は、米国をより保護貿易主義へと駆り立てるものだ。他国の保護主義を誘発するだけで、世界貿易の一段の減速につながりかねない」と強く批判した。

 大統領選では民主党のヒラリー・クリントン前国務長官も「TPPは水準を満たしていない」と反対姿勢を示す。カトラー氏は「TPPは日米だけでなく加盟国全体に莫大な経済効果があり、関税引き下げや市場のルールづくりにつながる高水準で野心的で包括的な協定だ」とクリントン氏の見方に反論した。

 米国ではTPPの批准が11月の大統領選の終了後にずれ込むとの見方が強い。カトラー氏は「年内に議会の承認を得られると引き続き楽観視している」と述べた。「長年、USTRに籍を置いてきたが、簡単に承認を得られた自由貿易協定など一つも思い出せないくらいだ」とも指摘した。

 TPPの参加国の拡大については「新しいメンバーの加入は重要だ」と強調し、中国や韓国、インドネシアなどが対象になるとの見方を示した。ただ「中国は長い目でみれば参加を検討すべきだが、事前に相当な国内改革が必要だ」とも指摘した。韓国は米韓自由貿易協定が既に発効しており「TPPに加わるのが自然だ」と述べた。

 中国の景気減速などで、世界貿易機関(WTO)は世界の貿易量の伸びが今年は2.8%にとどまるとみる。カトラー氏は通商交渉が停滞すれば国際貿易はさらに減速しかねないと指摘。「WTO交渉が自由貿易の主軸となるのが理想だが、実に困難になった」と述べ、2001年に始まった多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)の長期停滞に強い懸念を示した。



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