米の政治停滞、進む無極化 外交漂流で同盟国も惑う 本社コラムニスト 脇 祐三 2013/11/25 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のオピニオン面にある「米の政治停滞、進む無極化 外交漂流で同盟国も惑う 本社コラムニスト 脇 祐三」です。





 オバマ政権が2期目に入った今年は、米国の政治の停滞を世界に印象づける年になった。財政をめぐる政権と野党・共和党の対立で10月には政府機関の一部閉鎖に至った。内政の混迷と並行して対外的な関与に消極的になり、同盟国の間に戸惑いや不満が広がる。

 世界のガバナンス(統治)を主導する国がいない無極化の状態を「Gゼロ」と呼び、その到来に警告を発する米国の政治学者イアン・ブレマー氏は、現状を次のように評する。「オバマ大統領は内政に手いっぱいだ」「民主党も共和党も外交に力を入れる気はない」「その結果、Gゼロ化がどんどん進む」と。

 再選から1年を経たオバマ大統領の支持率は40%前後にまで下がった。レーガン、クリントン両元大統領の2期目の支持率を大きく下回り、ブッシュ前大統領と不人気度を競う。

 政府機関の閉鎖では、共和党の硬直的な姿勢に批判が集まった。今は大統領への失望が強い。政府の責任による国民皆保険の実現を掲げ、共和党の反対を押し切って始めた医療保険改革がつまずいているからだ。

 まず、政府が設けた保険加入サイトが大量のアクセスに対応できない技術的な問題が起きた。大統領は「加入していた保険を続けたければ、続けられる」と説明していたのに、新制度に適合しないという理由で保険会社から強制的に解約される人が続出しかねないこともわかった。

 「大統領は完全に信頼を失った」と共和党が勢いづく。オバマ大統領は政策を批判されるとムキになり、妥協を拒みがちだ。3年あまりの任期を残すのに、大統領は「ずっとレームダック(死に体)になる危機」(英フィナンシャル・タイムズ紙)に陥っている。

 外交ではイランとの対話にかじを切ったが、核開発問題をめぐる最初の合意にこぎつけるまでにも曲折があった。イランがウラン濃縮の権利を明確に認めるよう要求しただけではない。米国の同盟国が交渉のハードルを上げたからだ。



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