米バンガード、ノーロード型投信の日本販売強化 CEO「投資文化 欠如に変化」 2015/07/20 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の金融面にある「米バンガード、ノーロード型投信の日本販売強化 CEO「投資文化 欠如に変化」」です。





 【ニューヨーク=伴百江】米国最大の投資信託運用会社、バンガード・グループは販売時に手数料を取らないノーロード投信の日本拡販に乗り出す。アベノミクスによる環境変化を好機と判断した。ウィリアム・マクナブ会長兼最高経営責任者(CEO)は日本経済新聞の取材に対し、直販や提携による販路の拡大をめざす意向を示した。

ウィリアム・マクナブ会長兼CEO

 ――バンガードの投信への資金流入が加速している理由は。

 「ここ4~5年は毎年、過去最大の資金流入となっている。2015年上半期はすでに昨年の実績を55%上回っている。低コストの運用や運用戦略の明確な説明のほか、投信販売の事業モデルの変化も大きい。投資家から預かった運用資産額に基づいて手数料を受け取るファイナンシャル・アドバイザー(FA)が普及し、低コストな当社の投信を推奨するFAが増えた」

 ――日本の状況は。

 「当社は海外事業からの運用資産が5月末時点で2550億ドル(約31兆円)を超える。このうちアジア(中国・台湾、日本、シンガポール)が600億ドルを占める。日本の運用資産は14年の1年間に60%増えた。『セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド』の運用総額は、5月下旬に1000億円を突破した」

 「日本の販売が大きく上向いたのは、アベノミクスの効果も大きい。コーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化や証券投資の環境改善が進んだ。当社は昨年、米国本社のリテール販売部門のトップを、日本法人の代表に任命した。日本法人を東京・千代田区の永田町に移し、規模を拡大した。直販や提携を軸に日本の事業拡大に備え、体制を整えつつある」

 ――日本事業の難しい点は何か。

 「株式投資文化の欠如だ。最近は変わりつつあり、日本人の株式投資需要を感じるようになった。今後は日本株への投資だけではなく、グローバル投資の重要さを強調したい。過去20年間に世界中の株式に分散投資していれば、日本株や預金よりはるかに大きな利回りを確保できたはずだ」

 「もう一つの壁は投信の販売体制だ。日本では証券会社が相当な額の手数料を取る。ノーロードを重視する当社はこうした販売体制に参加するつもりはない。投資家との利益相反を避けるのが難しいからだ。いずれ日本の市場にも変化が訪れる日が来ると信じている」

 ――他社を買収する計画は。

 「可能性は極めて低い。企業文化に特色のある当社は従業員の転職率が非常に低い。投信業界で最大になったのは、他社の買収ではなく、投資家の支持を得て内から会社が大きくなったから。日本市場でも当社の投信は大きな価値をもたらすと思ってくれる投資家が増えるようにしたい」

 ――FAを通じた販売実績はどうか。

 「運用資産全体の35%がFA経由だ。10年前にはほぼゼロだっただけに大きく変化した。40%は直販、残りは確定拠出年金だ。FAの普及は世界的な傾向で、英国、カナダ、オーストラリアなどにも広がった。香港も証券規制改革でFA導入を議論している。日本でもFAが普及すれば投資家の利益にかなう」



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