米利上げ、次期政権にらむ インフレ加速意識 2016/12/16 本 日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合面にある「米利上げ、次期政権にらむ インフレ加速意識」です。





 【ニューヨーク=大塚節雄】1年ぶりに利上げした米連邦準備理事会(FRB)は、2017年に3回の利上げを平均的なシナリオに据えた。イエレン議長は14日の記者会見で、トランプ次期米大統領の財政刺激策などで生じる変化を政策決定に反映していくと表明し、一段の利上げ加速を示唆した。財政政策の動向と絡み、米利上げ戦略が世界経済を大きく左右する。

「これは経済への信任投票だ」

 9年半ぶりの利上げから1年。14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、イエレン氏は全会一致で決めた今回の利上げをこう位置づけた。引き締め局面として過去例のない長期の休止期間を経ての決断に、安堵の色をみせた。

 問題は来年だ。今回、FOMCメンバーは平均的な利上げ回数の想定を従来の2回から3回に増やした。だが来年1月のトランプ政権の発足が筋書きの波乱要因となる。

「政策の詳細や経済への影響が確かになるまで推測はしたくない」

 イエレン氏は来年の利上げ回数の想定が上振れしたことについて「ごくわずかな調整」と語った。大型減税など大規模な財政刺激策を掲げるトランプ氏の政策の影響を現時点で正確に見通すことは難しい。FRBの政策決定に本格的に織り込んでいくのはこれからだ。

 このため「見通しやリスクの変化に応じ、政策金利の適切な道筋を調整する」とし、政策の動向を見極めつつ利上げシナリオを修正すると表明。利上げが一段と加速する可能性をにじませた。

「利上げが後手に回っているとは判断していない」

 緩和に積極的な「ハト派」としてのこれまでの側面を否定するような発言も、随所に出た。「(労働市場などの過熱を容認する)『高圧経済』を推奨した覚えはない」と言及。強く意識しているとみられるのが、トランプ氏の政策でインフレが加速する可能性だ。

「税制面の政策効果はあるが、中身次第」「完全雇用に戻るための財政刺激策は不要」

 トランプ氏の政策にやや距離を置いた発言も目立った。米経済の課題である生産性の向上につながるのか。財政悪化を招き、「悪いインフレ」に陥るリスクはないのか。短期的な景気刺激にとどまる可能性も指摘されており、そうした点を丹念に見ていく構えだ。

「私はFRBの独立性の強い信奉者だ」

 トランプ氏はイエレン氏の再任を見送る意向を示したこともある。イエレン氏は「4年の任期を全うしたい」と改めて表明、政治介入に予防線を張った。トランプ氏が緩和を主張する金融規制を巡り「政権移行チームと接触している」とした半面、「政権の円滑な移行を越えた関わりは期待していない」と指摘。次期政権とFRBとの溝は、市場のリスクとなる。



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