米軍「駐留」再開は合憲、比最高裁判断 南シナ海での影響力、一段と 2016/01/13 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際1面にある「米軍「駐留」再開は合憲、比最高裁判断 南シナ海での影響力、一段と」です。





 【マニラ=佐竹実】フィリピンの最高裁判所は12日、米軍の事実上の再駐留を認める新軍事協定について、合憲と判断した。米軍が兵力を比国内に展開したり、基地を利用したりすることが可能になる。南シナ海では中国が人工島を造成し、周辺国が軍事拠点化を警戒している。米軍の展開強化により、同海域で米国の影響力が一段と増すことになる。

フィリピンのスービック港に停泊する米艦船(昨年9月)

 米比は2014年、中国の海洋進出を念頭に「拡大防衛協力協定」を結んだが、フィリピンの元上院議員らが「協定は違憲だ」として訴訟を起こし、発効までの手続きが止まっていた。最高裁は「大統領が決めた協定であり、裁判所は立ち入ることができない」として訴えを退けた。

 合憲判断を受け、比外務省は12日、「協定は安全保障や災害対応を強化するために重要だ」とするコメントを発表。米大使館も「両国の関係をさらに強化できる。フィリピン軍の能力向上にも役立つ」と歓迎した。協定は両政府が今後、詳細を詰め、合意した後、発効する見通しだ。

 フィリピンの憲法は外国軍の駐留を禁じており、上院が批准した条約で規定する必要がある。かつて米軍はフィリピンに基地を持っていたが、比国内で反対する世論が高まったことなどから規定は延長されず、1992年までに米軍は全面撤退した。

 新協定で認めたのは、あくまでも「一時的な軍事力の展開」との位置づけだ。艦船の停泊や合同軍事演習を可能にした98年の訪問軍協定や相互防衛条約の拡大版であり、憲法には抵触しないとの解釈だ。

 背景にあるのが、南シナ海での中国の台頭だ。軍事力に乏しいフィリピンが自国だけで対処するのは不可能で、米国など同盟国に頼る必要があった。国内でも中国を意識し、米軍を再び受け入れるべきだとの声が高まっていた。アジア重視を掲げたオバマ政権にとっても南シナ海に面するフィリピンは重要性が高く、米軍の再展開に向けて協定締結に踏み切った。

 米軍は南シナ海の人工島付近に艦船を派遣するなどして中国に対するけん制を続けている。米軍による比国内の軍事施設の使用に道が開けたことで、南シナ海における米比のけん制力が強まりそうだ。



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