経営学はいま 戦略イノベーション(4) 流行を追わなくても成功 一橋大学教授 楠木建 2013/11/26 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済教室面にある「経営学はいま 戦略イノベーション(4) 流行を追わなくても成功 一橋大学教授 楠木建」です。





 戦略ストーリーとビジネスモデルとは似て非なるものだ。ビジネスモデルは「取引の見取り図」だが、戦略ストーリーが注目する「つながり」は因果論理にあるからだ。

 例えば、アクションXをとる。するとYができる。YができればZが可能になり、それがP(利益)をもたらす。個別のアクションを「なぜ」でつなげることで、戦略はストーリーになる。

 カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング(ファストリ)は、「ZARA」ブランドのインディテックス(スペイン)と同様、SPA(製造小売り)だ。だがファストリの戦略ストーリーはインディテックスのようなファストファッションと正反対だ。そこに戦略イノベーションがある。

 ファストファッションは、どのような服が売れるのかを予想してつくるのではない。まずは少量を製造して売れ行きをみて、「売れるもの」をどんどんつくる。だから流行をはずさない。変化する流行に素早く対応する「マーケットイン」がカギになる。

 一方、ユニクロのコンセプトは「ライフウエア」だ。流行を追いかけるのでなく、万人が受け入れる高品質の「部品」としての衣料を提供する。売るものを完成度の高い商品に絞り込み、シーズンごとに改良していく。明確な強みを持った商品だけを店に出すという「プロダクトアウト」の戦略ストーリーだ。

 ユニクロの成功要因として発熱保温肌着「ヒートテック」など商品力が注目されるが、真の競争優位の源泉はその背後のストーリーにある。



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