経営書を読む ゲマワット著「コークの味は国ごとに違うべきか」(2) 国ごとの差異を超える 「違い」の理解が成功の一歩 2014/08/12 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「経営書を読む ゲマワット著「コークの味は国ごとに違うべきか」(2) 国ごとの差異を超える 「違い」の理解が成功の一歩」です。





 国際貿易を考える際のモデルに「重力モデル」と呼ばれるものがあります。ニュートンの万有引力の法則をアナロジー(類比)としています。重力モデルとは、二国間の貿易額がそれぞれの国の経済規模に比例し、二国間の距離の2乗に反比例するというものです。

 同モデルは経済モデルとしては優秀です。二国間の貿易額の変動の半分から3分の2を説明できるそうです。これは国際的な経済活動に地理的な隔たりが厳然と存在することを示しています。

 地理的な隔たりは、企業活動にも大きな影響を与えます。重力モデルを企業業績に当てはめるとどうなるでしょうか。

 例えば、ウォルマート・ストアーズでは次のようなことがわかりました。海外展開国の首都と同社の本社(アーカンソー州)の距離が遠いほど利益率が低くなるという相関があったのです。カナダやメキシコでの利益率は高く、韓国やドイツでは赤字でした(両国からは既に撤退済みです)。

 距離以外の重要な隔たりも見えてきます。利益率が高かったのは英語圏の国であることや英国の旧植民地であることもわかりました。所得水準が低い国の業績は総じてよくありませんでした。ここから、単純な重力モデルには補正が必要なことがわかります。

 著者のゲマワットは、国ごとの隔たりで重要となる要素を4つに集約しました。地理的な要素に加えて、文化的、制度的、経済的な隔たりを合わせた4つです。これらの要素に照らし合わせて国ごとの差異を理解することで、企業の海外進出の優先度が見えてくると著者は主張します。

 隔たりを意識するということは、画一的な世界で画一的に成功するという妄想の解毒剤にもなります。他国では企業はどこまでも外来種で、競争上の不利は自明です。他国のことを自国以上に理解できるというのは幻想にすぎません。自他の違いを理解することが成功の第一歩なのです。

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