経営書を読む ルメルト著「良い戦略、悪い戦略」(4) ストラテジストの思考法、実現可能で重要なこと見極め 2015/06/02 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「経営書を読む ルメルト著「良い戦略、悪い戦略」(4) ストラテジストの思考法、実現可能で重要なこと見極め」です。





 戦略をつくるという作業は、高性能の飛行機を設計する作業に通じるものがあります。戦略の選択肢は与えられるものではなく、自らデザインすべきものだからです。だからこそ、有能なストラテジストは優れたデザイナー(設計者)ともいえます。様々な要素の特徴を見極め、最適な組み合わせを見つけ、全体を美しくまとめ上げる役目を担います。

 ルメルトは本書の最後に戦略思考を高めるテクニックを紹介しています。真っ先にあげるのが「リストを作成する」という方法です。この重要性を、若き日のフレデリック・テイラー(科学的管理法の父)と鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの間でのエピソードを用いて紹介しています。

 カーネギーは言います。「お若いの、君が経営について聞くに値することを言ったら、1万ドルの小切手を送ってやろう」。テイラーは「あなたにできる重要なことを10個書き出して、それを一つずつ実行してください」と答えました。後日、1万ドルの小切手を受け取ったそうです。

 この話のミソは「重要であること」と「できること」の2つです。テイラーはまず、根本的に大切なことに優先度を置くべきだと主張したのです。さらに実行可能なものでなくてはならないとも助言したのです。

 これはできる事を洗い出し、十分考えた上で、大切なことから全体を組み上げていくべきだと読み替えることができます。実現可能かつ重要なことをリストアップするということが、ストラテジストがデザイナーであるべきだという考え方に通じるものなのです。

 他にも、第一感は大事だが疑ってかかるべし、と警鐘を鳴らします。重要な判断をしたら記録に残す習慣を持つことも推奨します。事後評価をして自分の判断を反省材料として活用するためです。戦略のデザイナーになるには地味で具体的な努力が必要なのです。

=この項おわり

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