経営書を読む 出現する未来(2) 本当の現実を見る 習慣的思考を保留せよ 2015/10/27 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「」です。





 「U理論」をもう少し詳しく、各プロセスごとに見ていきましょう。

 まず「センシング」は自らの経験の積み重ねによって習慣的に持つに至った先入観や認識をいったん保留し、目の前に展開する現実をひたすら観察することによって、現実世界と一体となる段階と定義されています。簡単に聞こえるかもしれませんが、実際は大変難しいのです。

 多くの人は単に「メンタルモデルをダウンローディング」しているだけであり、自分で見ようとしているものを見ている、すなわち、本当の現実から目をそらし、自分のメンタルモデルに合うものだけを見ている。著者の一人、オットー・シャーマー博士はこう喝破しています。

 事例として、1980年代前半、生産性で米国企業を上回ったトヨタ自動車の工場を、米国の自動車メーカー幹部が視察した時のことが挙げられています。

 米社の幹部は視察のあと「本物の工場は見せてもらえなかった」と語ったとされています。「どこにも『在庫』がなかった、これは本物の工場ではない」というのが理由だそうです。

 この幹部は自分の習慣的メンタルモデルを当てはめてしまい、「ジャストインタイム」の生産システムの本質を見ることができませんでした。あらかじめ見るつもりのものを見てしまい、自分の習慣的思考を「保留」できなかったのです。

 しかし、彼を笑うことはできないのではないでしょうか。なぜなら、私たちの仕事の進め方や判断は過去の習慣的思考パターンを無自覚になぞっているだけのことが多いからです。

 もし組織変革やイノベーション創出を目指すならば、過去の思考パターンを再現するだけの「ダウンローディングモード」に陥っていないか、常に点検する必要があるのです。自分の「無意識の想定」に対する「保留力」を高めておかなければならないのです。



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