経営書を読む 小倉昌男著「小倉昌男 経営学」(2) 異業種の知見 宅急便、吉野家・日航からヒント 2015/07/14 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「経営書を読む 小倉昌男著「小倉昌男 経営学」(2) 異業種の知見 宅急便、吉野家・日航からヒント」です。





 経営学の「知の探索」理論と合致する小倉昌男氏の学習姿勢は、同氏が異業種から学び、知見を自社経営に応用してきたことにも表れています。

 知の探索とは、自分から離れた遠くの知を探索し、それをいま自分の持つ知と「新しく組み合わせる」ことです。ヤマト運輸であれば、運輸業以外からの知見の方が新しいビジネスのヒントは得られやすいのです。

 小倉氏が宅配便ビジネスに乗り出したのは2つの異業種からの学びが契機になっていると、本書では明かされています。

 第1は牛丼の吉野家です。戦後のヤマト運輸は近距離輸送に加えて、長距離輸送、百貨店の配送業務請負など、事業の多角化を進めました。しかし徐々に行き詰まり、1970年代初頭から収益が悪化します。そこで当時郵便局が独占していた個人向け小口輸送分野への参入を検討します。

 ちょうどその頃、吉野家がメニューを牛丼だけに絞る「牛丼一筋」の戦略をとったことで、かえって高収益を上げていることを知ります。ヤマト運輸も個人向け宅配事業に絞り込むべきではないか、と考えたのです。

 もう一つは日本航空の「ジャルパック」です。旅行は人によって行きたい場所も、タイミングも違います。顧客ごとにコストも手間もかかり、庶民には高根の花。それがジャルパックのようにパッケージツアーとして商品化されたことで手が届くようになり、市場が一気に拡大したのです。

 小倉氏はこの発想も宅配便に応用できると着想しました。個人向け宅配便も「送り先もタイミングも、顧客ごとにバラバラ」だからです。宅配便ビジネスでも「買いやすさ」が消費者に認知されれば、大きい市場になると確信したのです。

 このように個人向け宅配ビジネスが牛丼と旅行サービスからヒントを得て生まれたのは一見興味深いことですが、経営学の「知の探索」理論ときわめて整合的なのです。

(ケーススタディーなど全文を「日経Bizアカデミー」に掲載)



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