経営書を読む 成功はゴミ箱の中に(4) 死ぬまで「仕事大好き」 困難も努力も娯楽 2015/06/30 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「経営書を読む 成功はゴミ箱の中に(4) 死ぬまで「仕事大好き」 困難も努力も娯楽」です。





 この本は全編「どうだ、俺の話、おもしろいだろう?」というクロックの「話したくてたまらない」モードで書かれています。フランチャイズビジネスを始めようというとき、あまりに夢中で話すので、彼の元秘書だったマーシャル・リードは「クロックの頭がおかしくなったのかと心配した」と語っています。

 クロックがいちばん好きだったのが、メニュー開発と店舗開発でした。本の中でも何度となく話が出てきます。仕事の実際を知らないのでいまひとつついていけないのですが、「だって、スキだからスキなんだよ!」という思いだけはビシビシ伝わってきます。

 クロックは「野球をして得るのと変わらない喜びを仕事からも得ていた」と書いています。彼にとっての仕事―事業をデカくすることとそのための経営―は、普通の人がおいしいものを食べたり、デートしたりするのとまったく同じ意味で、生理的な喜びであり、本能的な快感でした。

 マクドナルドで当てるまで、クロックは長い下積みを経験しています。経営者になってからも、さまざまな困難に直面し、粘り強い努力でそれを克服しています。しかし、本書の記述はあくまでも明るく、「下積み」「苦労」というトーンがまるでありません。好きな仕事を好きなようにやってきた彼には努力が娯楽になっています。

 クロックがマクドナルド兄弟をはじめて訪れたのが1954年、この本を書き終えたのが77年。その後亡くなる84年までクロックは働き続けました。死ぬまで大好きな仕事をやめることができなかったのです。いい加減にしてくれと夫人に懇願されながらも、メニュー開発や不動産開発を喜々として続けていました。

 彼の頭の中には「引き際」などという文字はありません。仕事に対する異常なほどの愛情と執着、理屈抜きのスキスキ精神がマクドナルド帝国の基盤にあったのです。

=この項おわり



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