経営書を読む C.K.プラハラード著「ネクスト・マーケット」(1) 新興市場の貧困層商機あり、思い込み捨てよ 2016/04/12 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「経営書を読む C.K.プラハラード著「ネクスト・マーケット」(1) 新興市場の貧困層商機あり、思い込み捨てよ」です。





 最近は日本でもCSV(共通価値の創造)など民間企業が社会問題を解決しながら価値創造するという考えが浸透してきました。その原点ともいえる一冊が「ネクスト・マーケット」です。

 著者の故プラハラード教授は同書で、アジア・インド・アフリカ・中南米など新興市場の貧困層をBOP(所得ピラミッドの底辺)と呼びました。現在、世界は少数が富を独占し、他方で1日2ドルで生活するBOP層は40億人いるといわれます。プラハラードは「このピラミッドの底辺こそビジネス機会と捉えるべき」と説いたのです。

 第1章では読者にこれまでの「支配的な論理」からの脱却を求めます。「貧困層こそ大きなビジネス機会である」が本書の主張ですが、これは逆に言えば我々が貧困層に対して支配的な論理・思い込みを持っていることの裏返しでもあります。

 その思い込みとは、(1)貧困層には購買力がない(2)貧困層は高技術の製品を受け入れない(3)貧困層はブランド志向でない(4)BOP市場へのアプローチは難しい(5)貧困層は情報ネットワークを持たない、などです。

 しかし、これらはBOPの実態と大きく異なるとプラハラードは主張します。例えば、インド・ムンバイ郊外の貧民街では、住民の85%がテレビを、75%が圧力鍋・ミキサーを持っています。バングラデシュの貧民街の住民は所得の7%を携帯電話の通信料に使っています。ブラジルの貧困層向けの店でよく売れているテレビはソニーなどのブランド品です。すなわち(1)~(3)の思い込みとは逆に、貧困層も本当は高機能でぜいたくな物にお金を使いたいのです。

 さらに近年は安価なスマートフォンやそれらを時間貸しするサービスが貧困層にも普及しつつあり、結果として(4)(5)も当てはまらなくなってきています。このように、まずは貧困層への思い込みを捨てBOP市場をビジネス機会として再定義することが重要なのです。



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