経営書を読む C.K.プラハラード著「ネクスト・マーケット」(4) IT・携帯電話の普及 貧困層市場の成長後押し 2016/05/03 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「経営書を読む C.K.プラハラード著「ネクスト・マーケット」(4) IT・携帯電話の普及 貧困層市場の成長後押し」です。





 「途上国の貧困層(BOP層)の諸問題をビジネスと市場の力で解決する」と主張し世界中で大きな反響を得た本書の初版は、2004年に刊行されました。その後、09年に出版された増補改訂版でプラハラードは、この間に世界がBOPビジネスに理解を示すようになったとその手応えについて述べています。

 マイクロソフト創業者のビル・ゲイツが、他者への配慮を重視する「創造的資本主義」を提唱するなど、ビジネスリーダーからも後押しする主張が出てきました。

 加えて大きく変わったのがIT(情報技術)の爆発的な普及です。ITはBOPビジネスを後押しします。例えば、インターネットを使って先進国の一般の人々が途上国の起業家に直接、投融資する機会が提供されるようになりました。

 さらに重要なのが携帯電話の普及です。携帯電話の契約数は世界で約70億件で、最近の成長の大部分はBOP市場のものです。エリクソン、ノキアなどの通信関連企業はプリペイドカードを販売したり携帯電話を貸し出して通話料を徴収したりして、BOP層でも携帯電話が使える仕組みを取り入れました。第2回のシャンプーの事例で紹介した「使い切り」売りの発想そのものです。

 このようなイノベーションにより、インドでの携帯電話の通話料は1分あたり1円以下です。結果として、農民が市場価格などの情報に簡単にアクセスできるようになり、それは彼らの生産性を向上させ、仲買人から搾取される機会を減らしました。携帯電話のおかげでBOP層は医療や金融サービスも利用できるようになったのです。

 プラハラードは10年にこの世を去りました。本書最終章で彼は、BOPビジネスの目標は貧困層が厚い「ピラミッド型」の所得構造を、中間層が厚い「ダイヤモンド型」に変えることだと述べます。その実現は、BOPビジネスのさらなる発展にかかっているのです。

=この項おわり



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です