経済観測 「トランプ時代」の米景気 減税効果2年活況続 くサントリーホールディングス社長 新浪剛史氏 2017/1/17 本日の日 本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済面にある「経済観測 「トランプ時代」の米景気 減税効果2年活況続くサントリーホールディングス社長 新浪剛史氏」です。





 「トランプの時代」が来る。今週20日に就任する新大統領は米経済をどう率い、日本や世界との関係をいかに築くのか。米ハーバード大に学び、経済財政諮問会議の民間議員を務めるサントリーホールディングスの新浪剛史社長に、トランプ政権への期待と懸念、日本の課題を聞いた。

懸念は通商政策

 ――「トランプの米国」をどう予測しますか。

 「矛盾だらけの国。現状に不満な労働者と中流層の支持を受けた共和党の大統領だ。大きな政府と小さな政府のどちらに向かうのか、さじ加減が難しい。多数の矛盾の解決が課題になる」

 「選挙戦での言葉を変えるのに恥じらいはあまりないと思う。議会との関係もある。ビジネスマンらしく過去より現在と将来をどうするかを考え、公約を大転換したように見せずに現実的な政策をとると思う」

 ――懸念材料は。

 「1980年代のような通商政策の感覚だ。2国間に重点を置くだろうが、個別交渉は骨が折れる。中国というライバルの台頭もあって米国の強腰は各国に通じにくい。楽観的にいえば、2年後には環太平洋経済連携協定(TPP)のような姿に戻るかもしれない」

 ――トランプ氏の「脅し」も目立ちます。

 「グローバル化と自由貿易で成長したのは米企業。相互連関が進んだ世界で内向きは通用しない。輸入に対する懲罰的な課税を実行すれば、米国は投資先としての魅力を落とす。今は細心の対応が必要。米での投資計画を説明したトヨタ自動車の対応は適切だ」

 ――米景気の展望は。

 「2年は大丈夫だろう。トランプ氏というよりオバマ大統領が土台をつくった。米新政権は交代直後に経済を頑張る。現在35%の法人税率は15%はともかく20~25%に下げ、共和党内に配慮して個人減税もやるだろう。中西部などでインフラ投資も進めると思う」

 「消費好調の米市場での競争は激しくなる。米子会社のビーム社も上質のバーボンで勝負し、米工場をフル稼働させる」

為替変動大きく

 ――ドル高傾向は。

 「米連邦準備理事会(FRB)はイエレン議長の退任前に3回利上げするとみる。円は1ドル=127円くらいまでいく可能性もある。ただ市場は予見不可能な新大統領の動きに身構えており、変動は大きいだろう。中国の人民元がドル高に耐えられず、変動相場制に移る展開もありうる」

 ――円安で日本企業は一息ついた印象です。

 「1ドル=100円でやれる体質に変えないと。円安は追い風参考記録だ。米景気が好調なうちに日本の民間投資が増えないと、先が厳しい。2018年の米中間選挙以降にトランプ政権がもつかどうかは予測困難だ」

 「物価は年1%くらい上がる。それを上回る賃上げがカギだ。大手では今春、年収ベースで2%強の賃上げもありうる。生産性向上へ働き方改革も進め、賃金が恒常的に上がる仕組みをつくらないといけない」

 ――政府任せでなく企業が動くべきだと?

 「世界全体が近視眼的になっている。企業が先頭に立って所得格差や社会の断絶を直すべきだ」

(聞き手は編集委員 菅野幹雄)

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