経済観測 世界景気リスクどう評価 中国発の金融危機ない 2016/02/09 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済面にある「経済観測 世界景気リスクどう評価 中国発の金融危機ない」です。





 年明け以降、世界の株式・商品市場が大きく揺れ、経済の先行きにも不透明感が漂っている。リスクの所在はどこにあり、どのような政策対応が必要か。財務官の浅川雅嗣氏に聞いた。

 ――世界経済のリスクをどう評価していますか。

 「大きなリスク要因は2つある。中国と原油だ。中国については、過剰設備や過剰債務の調整が短期間で済まないことは分かっているし、中国当局も問題には取り組んでいる。ただ金融市場は待ってくれない」

情報発信に課題

 ――中国発のリーマン・ショック再来の懸念は。

 「当時は、米国の証券化商品を通じリスクが世界中に拡散し、疑心暗鬼が信用収縮とドルの流動性枯渇を招いた。今の問題は中国の実体経済とエネルギー価格で、世界的な流動性問題など起きていない」

 ――中国株は下げ、人民元は安くなっています。

 「株価や為替の調整はある程度、自然な動きだと思う。問題は当局の措置がアドホック(場当たり)であるとの認識を市場に抱かれ、振れを増幅している点だ。市場とのコミュニケーションの改善が大切だ」

 ――中国経済が失速する可能性はありますか。

 「中国は製造業からサービスへの移行過程にある。ただし過剰投資を減らすペースに応じて消費が伸びないと、全体の経済成長は鈍化する。投資から消費への移行を長期的にどう進めるか。この点も当局の積極的な情報発信が重要になる」

 ――円相場や日本株への影響はどうでしょう。

 「為替のレベル感はコメントしないが、常に日々の動向をにらみ、過度の変動の有無には注意を払っていく。外国勢の関心は日本株から離れているが、戻ってくる時に備え成長戦略の中身を固めるのが大切だ」

 ――原油については。

 「中東ではサウジアラビアが財政赤字に陥り、その穴埋めのためには、原油価格が下がっても、原油を売り続けざるを得ない。加えて経済制裁の解除されたイランからの供給が増える。新興国経済の減速は需要を下押しする。下落圧力はすぐには収まらないだろう」

原油安に恩恵も

 ――原油安が世界経済に及ぼす影響はどうですか。

 「当面は産油国を中心に下方リスクだが、日本のような消費国にとっては原油安は良いことだ。海外に流出していた購買力が、原油が下がる分だけ国内にとどまるからだ。米国にしても、石油産業の投資にはマイナスだが、消費者にはプラスだ。差し引きでみたら、悪い話ばかりではない」

 ――日本が議長国であるG7(7カ国)の課題は。

 「G7財務相会議で取り上げる世界経済のテーマは、中国の構造調整と米利上げに伴う金融政策の正常化、欧州の関心事である難民問題だ。米国の金融政策に関しては、米連邦準備理事会(FRB)の慎重なかじ取りを信頼している」

 「国際金融システムの安全網について、アジアではチェンマイ・イニシアチブの実効性の向上に取り組んでいる。開発では、日本が率先して質の高いインフラ作りを進めたい。国際税制や金融規制もG7のテーマとして取り上げていく」

(聞き手は編集委員 滝田洋一)



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