経済観測 原油安いつまで続く 供給過剰かなり長引く 昭和シェル石油社長 亀岡剛氏 2015/10/20 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済面にある「経済観測 原油安いつまで続く 供給過剰かなり長引く 昭和シェル石油社長 亀岡剛氏」です。





 昨年半ばの半値以下にまで値下がりした原油価格。値下がりの原因は何か、そして今の原油安はいつまで続くのか。石油元売り大手、昭和シェル石油の亀岡剛社長に聞いた。

 ――原油相場が軟調です。

 「昨年6月ごろまで原油価格は1バレル100ドルを超えていたが、足元では40ドル台半ばまで低落している。小刻みな動きはあるが、この1年近く40ドルから60ドルの圏内を行ったり来たりする展開が続いている」

シェール登場響く

 ――理由は何でしょう。

 「供給面では米国のシェールオイルなど非在来型原油の登場が大きい。米国の原油生産は4年前に比べると、およそ1.7倍に増えた。シェールオイルは採掘コストが高く、油価が下がると生産が減る、という予測もあったが、実際は技術革新でコストが下がり、そうはならなかった。油価がさらに下がって1バレル20ドル台まで落ち込むようなら話は別だが、今の水準が続く限り、大きな生産調整はないだろう」

 「石油輸出国機構(OPEC)の側も減産する気配は見えない。OPECの盟主のサウジアラビアは1980年代前半に需給改善のために大幅な減産に踏み切り、非OPECに市場を奪われた苦い経験がある。結局、世界全体でみるとOPECやロシアなどの在来型産油国は減産せず、北米の非在来型原油が増えた分だけ供給が積み上がった」

需要の伸びカギ

 ――需要はどうですか。

 「国際エネルギー機関(IEA)によると、世界の石油需要はまだ伸びてはいるが、供給増のペースには追いついていない。その結果、価格が調整された」

 ――40~60ドルのボックス圏相場が長期化しますか。

 「いつまでかは断言できないが、かなりの期間続くだろう。最近の特徴は中東で多少の動乱があっても、昔のように原油価格が敏感に反応しなくなったことだ。非常に上値が重い感じがする。シェール増産などの結果、米国の原油在庫は今年の春先には5億バレル近い、かつてない水準まで膨れあがった。原油が余っている証しであり、ボックス圏を突き抜けて上値を追うのは容易ではないと思う」

 ――潮目が変わるとすれば、きっかけは何でしょう。

 「需要の伸びだ。日本国内でも価格が下がった結果、ガソリン需要は回復している。景気減速の取り沙汰される中国についても、IEAは石油の需要予測を繰り返し上方修正している。石油製品というのはガソリンも灯油も意外に価格弾力性が高く、安値が続けばそれが新たな需要をつくり出し局面が変わる可能性はある。逆に米国の金利上げなどを機に世界経済がスローダウンすれば、需要が減り、下がるシナリオもあり得る。いずれにしても、カギを握るのは需要だ」

 ――日本の需要動向をどう見ますか。

 「人口減少や省燃費化で需要減は避けられない。ガソリン消費のピークは2004年で、今はその8割の水準だ。日本に石油を安定供給するという使命を果たすには、会社を強くしないといけない。出光興産との経営統合を検討しているのも、人口減に負けない経営基盤を築くのが目的だ」

(聞き手は編集委員 西條都夫)

 かめおか・つよし 輸出入から小売りまで幅広く石油ビジネスを熟知。59歳。



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