経済観測 投資マネーから見た世界 中国、政策対応で失速回避 DIAMアセットマネジメント社長 西恵正氏 2015/11/24 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済面にある「経済観測 投資マネーから見た世界 中国、政策対応で失速回避 DIAMアセットマネジメント社長 西恵正氏」です。





 米金融政策の転換や中国経済の減速など、世界経済を取り巻く環境が不透明だ。グローバルな投資資金はどう動き、日本にどのような影響を及ぼすか。DIAMアセットマネジメントの西恵正社長に聞いた。

米、12月利上げへ

 ――中国経済と市場の現状をどうみますか。

 「様々な株価対策をとりながら、人民元高を維持するのは無理がある。かといって人民元安を放置すれば、大規模な資本流出を誘発しかねない。バランスをとるのは至難の業だろう」

 ――失速の懸念は。

 「政策金利の下げや財政出動による景気テコ入れの余地があり、失速は免れよう。ただ製造業からサービス業へ、投資から消費への転換には時間を要する」

 ――米国の利上げは。

 「イエレン議長の率いる米連邦準備理事会(FRB)の際立った特徴は、米国外に目を配っている点だ。それでもこの12月に利上げしておかないと、機を逸してしまう。いったん利上げしたうえで、しばらく様子を見るのではないか」

 ――カネ余りの副作用を指摘する声もあります。

 「実感はちょっと違う。金融緩和が続く一方で金融規制は厳しさを増している。資本、外部負債、流動性など、金融機関の活動に対する縛りはきつくなっている」

市場流動性が低下

 ――市場が窮屈になっているというのですか。

 「市場の流動性は著しく低下している。金融機関が持ち高をとりにくくなったことで、相場変動に対する緩衝材がなくなった。しかも大量の取引を一気に仕掛ける超高速取引(HFT)がウエートを増している」

 ――どんな影響が。

 「今年8月24日、ニューヨーク・ダウ工業株30種平均が寄りつき直後に1000ドルも下がった。昨年10月には米国の債券市場で似たことが起きた。FRB内における利上げ慎重派が、金融規制担当のタルーロ理事というのは象徴的だろう」

 ――日本経済や市場の先行きはどうでしょう。

 「中国市場に傾斜したアジア諸国の景気減速が、日本に及ぼす影響は軽視できない。日本株には、夏場からいち早く影響が出ている。中国株に投資していた海外投資家がリスクを、流動性の高い日本株を売ることによってヘッジする動きが表面化したからだ」

 ――海外勢はこのまま日本株から離れるのですか。

 「そんなことはない。例えば今月、中東の投資家を訪問したが、日本株に対するまなざしには熱いものがあった。企業業績が引き続き上向いているうえに、稼ぐ力の向上を促すコーポレートガバナンス(企業統治)の改革も進展している。景気は踊り場であるものの、補正予算や金融の追加緩和によるテコ入れも見込まれる。ここが利上げ局面にある米国株との違いだ」

 ――国内投資家の方は。

 「日経平均株価が数百円下がった日には、値ごろ感から株価指数連動型の投資信託に、個人投資家の資金が流入してくる。日本郵政グループの上場を機に、預金よりは利回りの高い株式に個人の資金が入って来ているとの感触もある。デフレが解消するにつれて、貯蓄から投資へと資金が動く環境は整ってきたようだ」

(聞き手は編集委員 滝田洋一)

 にし・やすまさ 市場の経験が長く、何度も金融危機の修羅場を経験。62歳。



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