経済観測 20年五輪と日本経済 期待がデフレ打ち破る 経済同友会副代表幹事(ローソン最高経営責任者) 新浪剛史氏 2013/12/24 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合・経済面にある「経済観測 20年五輪と日本経済 期待がデフレ打ち破る 経済同友会副代表幹事(ローソン最高経営責任者) 新浪剛史氏」です。





 2020年東京五輪(オリンピック・パラリンピック)は日本経済をどう変えるか。経済同友会で招致活動に取りくんできた新浪剛史副代表幹事(ローソン最高経営責任者)に聞いた。

時間軸の効果大

 ――同友会が組織をあげて五輪招致に熱心だったのはなぜですか。

 「若い世代に強い『気』を持ってもらいたかった。彼、彼女らが夢を語りにくい現状をうち破り、明るい時代が来るんだという確信を抱いてもらうひとつのきっかけが五輪だ。面白いことがあるという期待がデフレ解消にも有効。とくに20~40代のモチベーション(動機)を高めたかった」

 「納期が定まると日本人は強みを発揮する。過去二十数年は納期をはっきりさせないままに(経済再生を)何とかなるさでやってきた。五輪を成功に導くというゴールまで6年強。時間軸のコミットメント(公約)が定まった意義は経済再生の面からも大きい」

 ――アベノミクスに五輪効果も相まって産業界は活気を取りもどしました。

 「成長戦略の核である環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加も経済再生へのコミットメントだ。五輪も同じ。外へのコミットメントをてこに、内を変えてゆくことが大切だ」

 ――ローソンの事業展開に変化は?

 「来日者の増加にそなえてどういうサービスを提供すべきか、議論を始めている。たとえば食。宗教上の制約がある人にどう対応すべきか。また店舗のバリアフリーはどうすべきか。コンビニも変わるべきは変わらなければならない」

 「1964年との違いはものづくり主体の経済からサービス主体の経済への移行だ。ローソンに海外から客がもっと来るようになればローソンのグローバル展開にも弾みがつく」

 ――他社はどうですか。

 「五輪組織委が立ち上がり、骨格が固まるにつれて同じ動きが広がるだろう」

出生率も上昇へ

 ――20年へ向け景気はどんな軌道を描くでしょう。

 「足元で顕著なのは建設需要の増加。都心部ではクルマの渋滞が目立つ。消費税の増税はあるが、個人消費はそれを乗りこえるだろう。鍵は技術革新だ。ヘルスケア、農業などの分野にベンチャーをはじめとする新しい企業が誕生し、雇用を生み出し、消費が拡大する好循環が期待できる」

 「介護や子育て産業は女性の雇用を増やす。賃金引き上げは一過性ではいけない。少しずつだが合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むとされる子供の数)も上がってくるだろう」

 ――東京への一極集中がさらに進みます。

 「意識の高い地方自治体の首長は首都圏に限らず、五輪を生かして来訪者を呼びこもうとしている。日本食という面でも地方には東京とは違う魅力がある」

 ――五輪後が心配です。

 「パラリンピックは都市インフラのバリアフリー化を加速させる。その勢いを駆って超高齢時代の都市づくりを続ければよい。中国をはじめアジア各国が日本をみつめている。そのモデルになるような営みが日本経済を支えるだろう」

(聞き手は編集委員 大林尚)



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