緊迫する世界 北朝鮮、次の動きは 2017/8/3 本日の日本経 済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「緊迫する世界 北朝鮮、次の動きは」です。





 北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を相次いで発射し、脅威を強めている。対する米国の姿勢は定まらず、国際社会は打開策を見いだせないまま。緊張が高まるなか、北朝鮮の次の動きに注目が集まる。展望やポイントを識者に聞いた。(総合2面参照)

さらなる挑発行為も

 ――米国の北朝鮮政策は対話路線に向かっているのでしょうか。

南山大教授平岩俊司氏

 「トランプ氏の発言はかなり以前から手詰まり感があった。トランプ氏が軍事的圧力の可能性など激しい発言をする一方、他の幹部が融和的な態度を取るなど政権のちぐはぐさは明白だ。北朝鮮はこの状況をみて、結局、米国は軍事力を行使しないと足元を見ている」

 ――米国の誤算の原因はどこにあるでしょう。

 「北朝鮮を過小評価している。体制の安定度、軍事的技術力、外交的したたかさ、プライドの高さ、すべてに関してだ。ティラーソン氏の『敵ではない』との発言は北朝鮮にとってはまだ不十分だ。米国と対等な立場で対話したい、と条件闘争を進めるだろう。北朝鮮が『まだ踏み込める』と判断すれば、さらなる挑発もありうる」

 ――北朝鮮が米国に求めることは何でしょう。

 「核保有国として認められることだ。もし核放棄で交渉を進めれば、米朝対話の実現も難しい。たとえば核保有を前提に『凍結』ならありえる。ただ、凍結といっても複雑な過程がある」

 「米国内には『先制攻撃すれば北朝鮮は反撃しない』と見る向きもあるが、間違いなく北朝鮮は反撃しよう。そうなれば韓国や日本に駐留する米軍の家族の安全確保は難しく、常識的には考えにくい。ただ、懸案はトランプ氏が外交的な常識に沿って行動する人間ではないことだ」

(聞き手は松本史)

<核手放す可能性低く

 ――北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)を相次ぎ打ちました。

早大大学院教授李鍾元氏

 「対米抑止力の確実な獲得という軍事的意図と、抑止力を土台とした米国との直接交渉という政治的意図の両面から、開発を急いでいるのだろう。金正恩(キム・ジョンウン)体制になって核をめぐる戦略的曖昧さは消えた。技術進歩に自信を深め、経済も上向くなか実戦配備に猛進している。核を手放す可能性は将来にわたり極めて低いと考えざるを得ない」

 ――米国の対北朝鮮政策をどうみますか。

 「1日にはティラーソン国務長官が『敵ではない』と対話を呼びかける一方、トランプ大統領が『戦争も辞さない』と述べたとも伝わった。米政権内での足並みの乱れを北朝鮮に突かれている」

 「米が期待する中国からの圧力強化は不発気味で、米中関係はぎくしゃくし始めた。米ロ関係が悪化してきたことも北朝鮮には有利な構図だ。中ロが主張する、北朝鮮の核・ミサイル開発凍結と引き換えに米韓軍事演習も控える『凍結論』は現実的な選択肢だが、政治的には難しい」

 ――7日のASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合に北朝鮮外相が参加する見通しです。

 「緊張緩和の糸口が探られる期待を持ちたいが、北朝鮮の態度軟化は望みにくい。対話に応じる姿勢を示すか不透明だ。むしろ緊張をあおる行動に出ることも考えられ、全く楽観できない」

(聞き手は篠崎健太)



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