習氏一喝でGDP修正 遼寧省、名目マイナス20%に 2017 /8/21 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合面にある「習氏一喝でGDP修正 遼寧省、名目マイナス20%に 」です。





 【北京=原田逸策、大連=原島大介】中国の経済統計で異変が起きている。東北部、遼寧省の1~6月期の名目域内総生産(GDP)は前年同期比マイナス20%に急減した。異例ともいえる成長率の急低下は、経済統計の水増しやねつ造を戒める習近平国家主席の強い意向を受けた動きとの見方が多い。ほかの省などにも今後、同じような「修正」は広がりそうだ。

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 1~6月期の遼寧省の名目GDPは1兆297億元(約17兆円)で、前年同期比マイナス19.6%だった。一方、実質成長率はプラス2.1%。1~6月期の消費者物価や卸売物価はともにプラスで推移しており、物価が上がっているなら名目成長率は実質を上回らないと辻つまが合わない。

 遼寧省ナンバー2の陳求発省長は1月、省内の市や県が2011~14年の財政収入を水増ししていたと認めた。陳氏は個別の統計には触れなかったが、複数の指標が改善の方向へ水増しされていたとみられる。

 3月の全国人民代表大会(国会に相当)。習氏は遼寧省分科会に出席し、「公明正大な数字こそ見栄えがよい」と述べた。習氏が個別の省の分科会で統計について言及するのは極めて異例だ。

 遼寧省はかつて、共産主義青年団(共青団)出身の李克強首相がトップを務めた。共産党指導部が入れ替わる秋の党大会を前に、習氏が統計問題で共青団をけん制したとの見方がくすぶる。

 遼寧省の場合、公表済みの名目GDPを過去に遡って反映させると、水増しは財政収入の他にもあったようだ。今回、過去の名目GDPをさわらず、1~6月期の数値だけを実態に寄せたため「マイナス20%」が表れたとみられる。「大まかに言って遼寧省はGDPを2割ほどかさ上げしていた」(中国の外交関係者)

 同省ではかねて水増しの噂があった。主力の重工業は不振続きだったのに、省公表の実質成長率はプラス基調を堅持。16年1~3月期に初めてマイナスとなったが、地元の企業経営者は「過去のねつ造をやや直しただけ。経済実態は以前からもっと悪かった」と話す。

 共産党中央規律検査委員会は6月、吉林省と内モンゴル自治区で「統計ねつ造がある」と指摘した。複数の省などが今後、改ざんを認める可能性がある。

 中国国務院(政府に相当)は8月、統計法の実施条例を施行し、水増しや改ざんの厳罰処分を決めた。ただ、地方政府幹部の評価はいまもGDPと税収が柱。党による高い成長目標も改ざんを誘う。構造問題に手をつけないと中国の統計が正確さを高めるのは難しい。



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