若田部・日銀副総裁「金融政策に限界なし」 2018/06/29 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の「若田部・日銀副総裁「金融政策に限界なし」」です。





大規模な金融緩和を求める「リフレ派」として知られた日銀の若田部昌澄副総裁が3月に就任して以降、初めての単独インタビューに応じた。大規模緩和を5年以上続けても2%の物価安定目標を達成できず、手詰まり感が漂うが「金融政策に限界はないといまも思っている」と強調した。物価が伸び悩む状態が続き「デフレに戻る危機があるなら政策調整をやらざるを得ない」と追加緩和の必要性にも言及した。

――就任前は物価目標の早期達成に向けて追加緩和の必要性すら訴えていた。しかし就任後の金融政策決定会合では現行政策の維持に賛成票を投じた。持論を修正したのか。

持論の修正ない

「基本的な考えは変わっていない。日本経済が持続的に成長するために日銀は物価目標を達成すべきだ。必要な政策は大規模な金融緩和だ。日銀ではより深いデータが得られる。日本経済、世界経済の動向、金融市場、金融機関の情報を総合的に勘案することが必要だ。政策効果を検討したうえで、現時点では現行政策に賛成票を投じている」

――大規模な金融緩和を続けても物価は思うように上がらない。金融政策だけでは限界ではないのか。

「金融政策には限界がないといまも思っている。極端な話、世界中のものを買っても物価が上がらないというのは考えられない。実際は制度面などの制約はあり、為替目的で外債を購入することはできない。もちろん金融政策だけがデフレ脱却に貢献するわけではない。機動的な財政政策、成長戦略というアベノミクスの考えはデフレ脱却の手段としていまだに有効だ」

――3月の就任会見で「必要ならばちゅうちょなく追加緩和をすべきだ」と話していたが、どのような時に必要になるのか。

「物価がトレンドとして下がっていく感じで、デフレに戻る危機があるなら政策調整をやらざるを得ない。必要であればちゅうちょなく追加緩和すべきだ。金利を操作するか、資産購入の対象を増やすか、資産の購入額を増やすか。この3つの戦略でのぞめばよい」

「量先行」は誤解

――以前は金融緩和によるマネーの供給量にこだわっていたように思える。副総裁の今でも金利操作より量が効果的と考えるか。

「リフレ派の考え方が多少誤解されていると思う。量の先行は誤解だ。マネーの役割はフェーズで違う。名目金利を低く維持し予想インフレ率を上げることが基本的なロジックだ。金利と量は裏腹の関係。(日銀は)2016年9月に長短金利操作を導入した。金利を操作するには背後で量を買わないといけない」

――需給が引き締まっても物価は伸び悩んでいる。

「7月の(経済・物価見通しを示す)展望リポートに向けて、もう一度物価がなぜ上がらないのか問題意識を持って分析する。グローバルな供給能力の高まりや、アマゾン効果のネット消費など様々な仮説が出ているなかで、説得力ある形で提示できるかが重要だ」

「デフレが長年続いたのが出発点で、人々にデフレ心理が染みついて物価が上がりにくくなっている。ただ政策当局者としてデフレ心理がまん延しているという説明だけでは終われない。政策がどのように影響を及ぼし、どう対応すれば物価が上がるのかを分析しないといけない」

若田部 昌澄氏(わかたべ・まさずみ)87年早大政経卒、トロント大博士課程単位取得退学。05年から早大教授。18年3月から現職。神奈川県出身。53歳。

若田部 昌澄氏



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です