観光資源整備に新財源、「出国税」が浮上 観光庁 2017/7/26 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済面にある「観光資源整備に新財源、「出国税」が浮上 観光庁」です。





 観光庁は、国内の観光資源を整えるための新しい財源の検討に入った。出国税など訪日客からも一定額を徴収する案が浮上している。この財源をもとに地方の観光施設をテコ入れし、様々な国・地域から訪日客を招き入れて、さらに地方への誘導を促すという好循環を描く。ただ金額や対象など具体化には詰めるべき課題は多く、制度設計次第では訪日客増の流れにも水を差しかねない。

 観光庁は5月に作った「観光ビジョン実現プログラム2017」で、観光施策にあてる財源確保策として「受益者の負担による方法」と書き込んだ。田村明比古長官も「全国で受け入れ環境を整備するため、出国税を検討する」と話す。欧米の例を研究中で、18年度の税制改正要望に盛り込むよう調整している。

 海外では導入例がある。英国では国際・国内線の利用客を対象に、距離などに応じて出国税を徴収。2000マイル未満のエコノミークラスで1人あたり約1900円を課金し、総額で約3800億円を一般財源に繰り入れている。フランスは欧州連合(EU)圏外に出る際に1000円弱を集め、国内とEU圏内の場合は500円強を徴収。約650億円を空港の整備などに使っている。

 日本への観光客は16年で2404万人に上り、単純計算で仮に1人から1000円徴収すると、約240億円の財源確保にはつながる。財務省は「具体策が出てくれば、年末までに検討する」としている。

 訪日客の観光は、東京、富士山、関西を巡る「ゴールデンルート」がなお中心になっており、地方へ足を運んでもらうかが課題だ。そのためには観光資源の再整備が欠かせないとみており、観光庁は新しい財源を使って地方の古民家や文化財、国立公園の整備などを想定。訪日客が、日本での体験を楽しむ「コト消費」を増やすことができるような環境を整える。

 ただ、出国税導入へのハードルは高く、現状では生煮えの部分も多い。日本人旅行客を含めるかなど、対象を訪日客に限るかどうかは未定だ。

 どのように集めるのかについても、国内の空港使用料のように飛行機代に上乗せする仕組みなどが検討課題になる。海外が人に課税してきた一方、日本は航空会社に負担を求めた経緯がある。成田空港では国際線の旅客から、サービス施設使用料と保安サービス料の名目で1人あたり2610円を徴収。新税という形での上乗せには航空会社や旅行業界などから慎重な意見がある。

 東京五輪・パラリンピックの開催が3年後に迫るなか、20年に4千万人とする訪日客の目標達成には、欧米をはじめ集客のすそ野を広げる必要がある。訪日客消費額についても現在のほぼ2倍にあたる8兆円を目指しており、全国の観光資源のテコ入れも不可欠だ。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です