訪日消費、主役は欧州客「爆買い」より体験 2017/8/13 本日の日 本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合面にある「訪日消費、主役は欧州客「爆買い」より体験 」です。





 訪日外国人の消費が新しいステージに入ってきた。これまで日本でお金を使う外国人といえば中国人が中心だったが、英国など欧州勢も1人あたりの消費額を伸ばし、存在感を高め始めた。地方での訪日消費も息長く続き、いずれ地方経済のけん引役は公共投資から観光消費にかわるとの期待も出ている。消費の主役、国内経済を支える原動力に浮かぶ変化を追う。

 1日朝の東京・築地。「新鮮でおいしいね」。市場内で海鮮丼を食べ、イタリアからやってきたジョゼップさん(29)とフランチェスコさん(31)は満足げだ。7月中旬から1カ月余りの滞在を予定。「スシとラーメンが大好き。色々な日本食を堪能するのが旅の目的」とジョゼップさん。食事と宿泊の予算は1日あたり1人8千円という。

 観光庁によると、4~6月期の1人あたり旅行消費額は、首位の英国が25万円、2位のイタリアが23万円。近年トップだった中国は22万円で3位。フランスやスペインも20万~21万円台で肉薄する。消費の主役はいまや欧州勢だ。

 欧州と中国の消費行動は対照的だ。英国は宿泊や飲食、娯楽サービスに旅行代の72%を使う。対する中国は35%。買い物は英国が13%にとどまるのに対し、中国は2015年の爆買いピーク時ほどではないが、いまも旅行代の6割を占める。

 欧州勢はラーメンを好むなど、一つひとつの消費に多くのお金をかけるわけではないが、温泉や景勝地、美術館と特異な体験を求め各地を回る。

海鮮丼に舌鼓を打つイタリアの訪日客(東京・築地)

 観光目的の滞在は延びている。今年4~6月と2年前の同期の水準を比べると、英国は12.3日から14.5日へ、イタリアは11.5日から12日へそれぞれ延びた。ドイツとフランスは2年前より短いが、それでも今年は14日と12.9日。中国(5.9日)の倍以上だ。

 1~6月期の訪日客消費額は2兆456億円で過去最高。みずほ総合研究所は下期もこの勢いを保つなら、年間の付加価値誘発額は4兆円になると試算。名目国内総生産(GDP)で0.8%の上昇が期待できる。

 政府は20年に訪日客消費を現状2倍の8兆円の目標を掲げる。みずほ総研の宮嶋貴之氏は「消費を伸ばすには客数に加え支出の底上げが重要。コト消費の取り込みが欠かせない」と話す。

 16年の訪日客は中国が600万人超で英国は30万人弱。8割以上をアジアが占める構図からの脱却は急務だ。日本の文化や自然をどう訴えるか。訪日客消費拡大のヒントは見えた。(馬場燃)

■ワタシの目当ては…食文化・アニメ・民泊

 外国人はニッポンに何を期待しているのか。東京で過ごす外国人に話を聞いた。

 「歴史的な街のほか、ポケモンやジブリといった独特なカルチャーがある。街もきれいで外国人向けの案内も多いと友人に勧められた」と話すのはスペインから来たミゲルさん(24)とアシャさん(22)。「京都の嵐山や伏見稲荷の景色に感動した」という。

 20代のフランス人夫婦は「異なる食文化とマンガ」がお目当て。テロを心配する妻も日本なら安心という。15日間の滞在予定の10日目で約20万円を日本酒やアニメグッズに費やした。ポルトガル人の50代夫婦と20代の娘の3人は11日間で関西、日光、東京を巡った。「自然がいい。日本の森や山は力強い」

 民泊人気も高い。ドイツ人4人組は「異文化に触れたくて来日したからホテルでなく一般住宅に泊まる」。スペイン2人組もエアビーアンドビーで民泊を選択。「ホテルは高い。Wi―Fiなどの機能はあるので満足」。初来日の人が多く「また来たい」と話していた。



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