豪華寝台、観光振興も発信 JR東「四季島」運行開始 2017/5/2 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の企業面にある「豪華寝台、観光振興も発信 JR東「四季島」運行開始」です。





 鉄道各社が豪華な旅を楽しむ観光列車を相次ぎ投入する。JR東日本は1日、豪華寝台列車「トランスイート四季島」の運行を始めた。JR西日本も6月から豪華寝台列車を走らせる。JR九州の「ななつ星in九州」が先駆けとなった観光列車の運行収益自体は大きくない。各社は沿線の観光や物販などへの長期的な波及効果に期待を寄せる。

 「四季島とともに新しい鉄道サービスと鉄道の歴史をつくりあげていきたい」。JR東日本の冨田哲郎社長は1日、四季島の出発式で宣言した。

 同日午前に上野駅を出発した四季島は東北・北海道を3泊4日かけて周遊する。日光駅(栃木県)や函館駅(北海道)などでは下車して市内観光。新潟方面を経由して4日に上野駅に戻ってくる。JR東日本は季節によってルートを変更。山梨県と長野県、福島県などを回る1泊2日のコースも用意している。

 四季島は10両編成で客室は17。3種類の客室を用意し、最も高い客室「四季島スイート」の代金は1人95万円(2人1室利用)だ。20平方メートルのメゾネット型でヒノキ風呂も備える。既に来年3月末までの出発分は全席完売しており、JR東日本は近日中にも2018年度運行分を公表する。

 ブームの立役者である「ななつ星」は13年10月の運行開始以来5回値上げしたが、直近の予約倍率は平均で22.5倍と依然人気は続く。きめ細かなサービスが特長で、ツアーデスクは予約から乗車までの約半年間、乗客と20~30回連絡を取り、どんな観光を楽しみたいかなど希望を聞き出す。

 狙いは「九州を売り込むこと」(開発を主導した唐池恒二会長)。対象は国内だけでなく海外の富裕層にも広げる。現在は全体の2割に満たないが、将来的に4割までの引き上げを目指す。

 「ななつ星」の成功例に追随する他のJR各社が狙うのは、地盤となる営業エリアの観光振興だ。JR西日本は6月17日、豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ)」の運行を始める。

 大阪駅、京都駅と下関駅を山陽・山陰本線を経由して結ぶ。来島達夫社長は「山陽と山陰の自然や文化を発信して、新しい鉄道の価値を提供したい」と説明する。

 倉敷など沿線の観光地にも立ち寄り、価格は1泊2日コースで1人27万円から。6~9月出発分の予約には2千件超の申し込みが殺到した。

 JR西日本は初年度の売上高は10億円を見込むが「鉄道運行だけでは採算に合わない」と明かす。「調度品や食材など名産品を乗客に紹介するという、沿線地域との相乗効果を重視している」(JR西)

 JR東日本などJR各社は駅前の商業施設など鉄道以外の事業を広げ収益の多角化を進めてきた。観光列車を呼び水として消費者の関心を引き込み、営業エリア内の旅客収入や施設収入の増加につなげられれば、本業である鉄道事業が再び盛り上がる契機になりそうだ。



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