財政出動「必要」相次ぐ クルーグマン氏「消費増税今でない」 分析会合折り返しに 2016/03/23 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の政治面にある「財政出動「必要」相次ぐ クルーグマン氏「消費増税今でない」 分析会合折り返しに」です。





 安倍晋三首相が5月下旬の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の準備会合と位置づける国際金融経済分析会合は22日、首相官邸でノーベル経済学賞を受賞したクルーグマン米プリンストン大名誉教授を招き、第3回会合を開いた。これまでに出席した有識者からは政府に積極的な財政出動を求める意見が相次ぎ、消費増税の延期論も出た。政府は経済対策策定もにらんだ検討に入る。

分析会合に臨むクルーグマン米プリンストン大名誉教授。右は黒田日銀総裁(22日、首相官邸)

 「日本は2~3年は財政収支を気にしないで財政出動すべきだ。ギリシャのような債務危機は起きない」。クルーグマン氏は強調した。首相は「日本は累積債務が大きいが、マイナス金利をいかして財政出動すべきだとの意見がある」と尋ねた。クルーグマン氏は「世界経済は弱さがまん延している。日本の政策を評価しているが、まだ不十分だ」と述べた。

 首相は「2014年に消費税率を8%に引き上げて以来、個人消費が力強さを失ったままなのはどうしてか」と質問。クルーグマン氏は「財政出動が今後なくなると受け止められたためではないか。日本の就労人口も減っている」と答えた。同氏は終了後、首相官邸で記者団に「消費税率アップはいまやるべきことではない」と増税反対の姿勢を鮮明にした。

 会合は折り返し点を迎えた。これまでの出席者のうち、スティグリッツ米コロンビア大教授は政府に大規模な財政出動と17年4月に予定する消費税率10%への引き上げ先送りを求めた。首相の経済政策のブレーンで会合に陪席している浜田宏一、本田悦朗両内閣官房参与も大幅な財政出動と消費増税の見送りを進言している。

 背景には2月の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議がある。共同声明で「世界経済見通しがさらに下方修正されるリスクが増している」と指摘。「金融政策のみでは均衡ある成長につながらない」として、機動的な財政出動の検討を確認した。

 首相は3月18日の参院予算委員会で伊勢志摩サミットに触れ「最大のテーマは現下の世界経済の情勢を分析し、どう協調していくかだ」と語った。議長国として「積極的な財政出動」の道筋を探っている。

 7月の参院選を控え、政府は5月のサミットの前に経済対策をまとめる方針だ。柱は「ニッポン一億総活躍プラン」。待機児童の解消策や非正規雇用の待遇改善などを盛り込む見通しだ。首相周辺は経済対策について「国内総生産(GDP)の成長率の1%引き上げに相当する5兆円は必要」と語る。与党内では参院選対策として巨額の財政出動を求める声もある。



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