起業の軌跡 「オイスターバー」広げる カキ浄化施設 決意の投資 ヒューマンウェブ社長 吉田秀則氏 2015/07/27 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の新興・中小企業面にある「起業の軌跡 「オイスターバー」広げる カキ浄化施設 決意の投資 ヒューマンウェブ社長 吉田秀則氏」です。





 オイスターバーの「ガンボ&オイスターバー」などを28店展開するヒューマンウェブ。今年3月に東証マザーズに上場した。飲食店運営のほか、広島県や沖縄県と連携してカキの養殖にも携わる。創業者で社長の吉田秀則(48)は「生産まで遡って国内のカキ市場を広げたい」と意気込む。

 オイスターバーとの出合いは1996年ごろ。エイベックス在籍中、海外出張で訪れた米国で初めてその存在を知った。浜焼きなどで食べることがほとんどだったため、カキがワインなどと一緒に提供されているのを新鮮に感じた。いつか事業を興したいと考えていた吉田は2000年にエイベックスを退職し、ヒューマンウェブを立ち上げた。当時33歳だった。

 1号店は東京・赤坂に開いた。カキ専門店は当時、珍しく話題性は抜群だったが、ロスや欠品が多く顧客の固定化に腐心した。そこでメニュー数を絞り生カキ中心の業態に転換。専門性を高めたことが奏功し、ほどなく月商1200万円の人気店となった。

 順調に店を増やしていったが、06年に転機が訪れる。ノロウイルスの流行だ。生食が避けられるようになり、売り上げが7割も減少。従業員への給料の支払いもままならなくなった。

 「どうせ潰れるならチャレンジしてから」。吉田は銀行や役員の猛反対を押し切って、約4千万円を投じ広島県に無菌化海水でカキを浄化する施設を建てた。食中毒の心配のないカキを作れば客が戻ると踏んだのだ。狙いは当たり、品質へのこだわりが評価され、2年ほどで客足が戻った。

 吉田のビジネスの原点は大学時代のアルバイトにある。東京・六本木のディスコで接客業の面白さに開眼し、卒業後はそのまま就職。不振店を次々に立て直した後、親会社のエイベックスに移って依田巽(当時は会長)の下で経営を学んだ。

 「100%安全なカキの養殖が成功すれば一気に市場は広がる」と吉田。競合が少ないだけに、今後は卸売りに進出しカキ市場の活性化に期する。

=敬称略

(中川竹美)

 よしだ・ひでのり 1990年日大工卒、ノヴァ・インターナショナル入社。2000年にヒューマンウェブを設立し社長に。岩手県出身



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