起業の軌跡 一律280円の焼鳥店500店展開 繁盛店に均一価格学ぶ 鳥貴族社長 大倉忠司氏 2016/04/25 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の新興・中小企業面にある「起業の軌跡 一律280円の焼鳥店500店展開 繁盛店に均一価格学ぶ 鳥貴族社長 大倉忠司氏」です。





 鳥貴族は大都市の繁華街ですべてのメニューを一律280円でそろえる焼鳥店を経営する。食材の値上がりで料理や酒の全部が同じ値段の均一価格店の経営は厳しくなっている。だが大倉忠司社長が率いる鳥貴族は全国に約500店を展開し、さらに1000店の新規出店も視野に入る。

 調理学校を卒業しホテル勤務などを経た大倉氏が大阪府東大阪市で居酒屋店を開業したのは1985年。20代の半ばだった。売り上げは芳しくなかった。

 浮上のヒントを起業前に客として通っていた個人経営の炉端焼き店でつかんだ。230円均一で商品を提供するその店は学生でにぎわい、大倉氏も「店の面白さにファンになった」。

 炉端焼き店の均一価格を参考に250円均一の焼鳥店に転換した。当時は100円ショップも少なく均一価格の店が珍しかったため、均一価格の中からお買い得なものを探す楽しみが受けると考えた。焼鳥店にこだわったのは昔から食べられてきた食べ物で流行に左右されないためチェーン化しやすいと思ったからだ。

 店舗網を広げるきっかけはビルの2階以上で客が入りにくい空中店舗での成功だ。2003年に大阪市の道頓堀に開業した35店目だった。「集客の難しい郊外で培った商品力が生きた」。280円(税抜き)の均一価格やチルドの鶏肉を毎日店で串打ちする焼き鳥を考案したことを指す。食い倒れの街で味と価格に敏感な若者らに支持された人気店の誕生をこう振り返る。

 店の売上高に占める家賃の割合は7.5%と、一般的な居酒屋の12~15%を大きく下回る。大半のメニューが仕入れがかさむ国産でも都市部の繁華街で均一価格を維持できる。

 280円の均一メニューは高齢者や家族連れなど、一般的な居酒屋にはない客層を呼び寄せる。15年8月~16年3月の既存店売上高は前年同期比9.7%増と、アルコール離れの風潮をどこ吹く風とやり過ごす。

 外食チェーンの多くが新たな業態に手を広げる。だが大倉氏は焼き鳥一筋をあえて貫く。「焼き鳥にかける思いを社員に訴えやすい」。21年7月期までに関西、関東、東海で1000店の出店を見据えている。

(大淵将一)

 おおくら・ただし 辻調理師専門学校卒業後、ホテルや焼鳥店に勤務。85年に鳥貴族を大阪で開業。86年に法人化した。大阪府出身。56歳



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です