起業の軌跡 相次ぎ事業転換 細心大胆、経営は速度 ボヤージュグループCEO 宇佐美進典氏 2016/03/28 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の新興・中小企業面にある「起業の軌跡 相次ぎ事業転換 細心大胆、経営は速度 ボヤージュグループCEO 宇佐美進典氏」です。





 VOYAGE GROUP(ボヤージュグループ)は多彩な事業を手がけるネットベンチャーだ。最高経営責任者(CEO)の宇佐美進典(43)は、目まぐるしく変わる経営環境に翻弄された。その経験のなかで「事業が縮む予兆」に目を光らせ大胆に事業を転換。「新事業の芽を常に抱える」ことで成長力を保つ。

 広告配信、オンライン調査、ベンチャー投資――。ボヤージュは子会社で多様な事業を次々と手がける。宇佐美は「ネットビジネスのライフサイクルは3~5年。新事業を創り続けないと生き残れない」と話す。

 宇佐美の事業戦略に強烈な印象を与えたのは、創業2年後に傘下入りしたサイバーエージェントだった。その後にMBO(経営陣が参加する買収)で再び独立したが、社長の藤田晋の経営手法を役員として間近で学んだ。そのひとつが「取締役を2年で入れ替える制度」。経営陣が自分の事業に安住せず、常に新規事業への投資リスクをとり続ける企業風土を肌で感じた。

 経験が生きたのが2004年の事業転換だ。米国の流行をみて始めた祖業の懸賞サイトは順調に売上高を伸ばし、社内でも安泰ムードが漂っていた。ところが社内の反対を押し切り価格比較サイトに刷新した。「広告単価が落ち始めた……」と異変を感じたからだ。

 ひとたび単価が落ちれば売上高の低下は止まらないと判断。ネットのビジネスでは1度伸びが止まると「売上高は1年で急落する」というのが持論だ。事業転換は成功し増収を保った。

 だが、その後も経営は揺れ続ける。国内大手ポータルサイトと検索連動型の広告を手がけていたが、10年に契約を突然打ち切られ売上高の3分の1を占める主力事業が苦境に陥った。この時はウェブ広告仲介サービスで穴を埋めた。

 14年にはマザーズに上場。15年には東証一部にくら替えした。それでも「まだ取り組んでいない技術や領域がある」と金融にIT(情報技術)を活用するフィンテック分野など新事業に意欲を示す。

=敬称略

(阿曽村雄太)



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