転入超、次は産業振興 島根県邑南町・石橋良治町長 2017/06/13 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の「転入超、次は産業振興 島根県邑南町・石橋良治町長」です。





広島県境の中山間地に位置する島根県邑南町が全国の注目を集めている。「A級グルメによる町づくり」「日本一の子育て村を目指して」などのキャッチフレーズが若者の支持を受け、移住者が相次ぐ。今年度は新たな施策として、事業所支援のための拠点づくりに乗り出した。石橋良治町長に現在の取り組みの詳細を聞いた。

――「邑南町しごとづくりセンター(おおなん―Biz)」の年内開設に向け、中心的な役割を担うセンター長の全国公募を始めました。

「町内にある中小企業・事業所の活性化と創業支援が目的だ。小さな町なので、商店などの小売業や建設業者などが主な対象となる。商工会会員の330事業者に後継者の有無を聞いたところ、半数以上から『あり』との回答があり、心強かった。意欲ある事業者らに経営やPRの方法をアドバイスし、廃業による町の衰退を防ぎたい」

「センター長に望むのはコミュニケーション能力にたけ、事業者の悩みに寄り添って解決してくれることだ。報酬は月額100万円を用意する。応募は締め切っており、7月中に面接を実施して選考する」

――「食」と「農」に絞った町おこしはユニークです。

「2011年度から進めている『A級グルメによる町づくり』は、地元の良質な農林水産物を素材にした食品や体験をアピールし、産業の担い手づくりと観光客誘致につなげるのが目的だ。石見和牛、牛乳、野菜などの特産品を生かした料理や商品が相次ぎ誕生した。シンボル的存在であるイタリアンレストラン『AJIKURA』は順調な経営を続けている。これまでに43人の起業家を育て、240人の定住者を呼び込んだ」

――昨年度は「地域型循環経済の確立」を目指す5カ年計画を策定しました。

「『A級グルメ』構想の裾野を広げたい。おおなん―Bizと連携し、町内消費拡大のための産業振興に力を入れていく。計算上は、1万人の町民が地元商品を前年よりも1万円多く買うと、1億円のおカネが町外に出なくなり、33人の雇用が生まれる。大学・専門学校と連携した食に関する技術開発や、病院食への地元食材提供、IT(情報技術)産業などとのコラボレーションを考えている。20年度までに10社の起業と30人の雇用創出を目指す」

――「日本一の子育て村」を目指した成果は。

「邑南町の売りは、移住者に対する徹底した悩み事相談と、地域による子育て支援だ。地元病院に産婦人科と小児科医が常勤しているなど、医療体制も充実している」

「広島市の中心部から車で約1時間という地の利もあり、子供連れの移住世帯が年々増加している。総人口は減っているが、13年から4年連続で転入者が転出者を上回る『社会増』となり、人口構成のバランスが改善しつつある。現在は20~30代の女性のうち、Iターン者が約4割を占める」

(聞き手は

松江支局長 西村正巳)

いしばし・りょうじ 1949年矢上町(現邑南町)生まれ。68歳。71年立命館大卒。旧石見町議会議員、島根県議会議員などを経て2004年から現職。現在4期目。

いしばし・りょうじ



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