転機の消費株(2) アマゾンが呼ぶ株安進む「中抜き」 店舗収益圧迫 2017/9/28 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の投資情報面にある「転機の消費株(2) アマゾンが呼ぶ株安進む「中抜き」 店舗収益圧迫」です。





 「この古着、300円で売ります」。交流サイトのフェイスブックにある国際基督教大学(東京都三鷹市)のグループ。ここでは1800人超の在校生や卒業生が、手数料がいらないフリーマーケット機能を使い、洋服や家電、教科書などを売買している。

 在校生の岩田奈那子さん(21)は「写真を撮って投稿するだけなので簡単」と笑顔で語る。学内などで受け渡しするので業者が入り込む余地は無い。こんな「フリマ経済圏」が今後は全国のキャンパスで広がりそうだ。

 国内ではフリマアプリ最大手のメルカリ(東京・港)が火を付けたフリマ人気。経済産業省によると、フリマアプリを通じた個人取引の国内市場規模は2016年に推定3052億円に達した。単館の百貨店で国内最大の売り上げを誇る、三越伊勢丹ホールディングスの伊勢丹新宿本店(2685億円)をすでに上回る大きさだ。

 こうした電子商取引(EC)は売り手と買い手を直接結びつけるため、実店舗が主体の小売業にとっては「中抜き」につながりやすい。なかでも大きな脅威となっているのが、インターネット通販の米アマゾン・ドット・コムだ。

 「アマゾン恐怖銘柄指数」――。お膝元の米国では、アマゾンの成長で業績が悪化する五十数社の株価を組み入れた指数が登場している。「デス・バイ・アマゾン」という別名もあるほどだ。大手百貨店のメーシーズやオフィス用品販売のオフィス・デポなどの株価下落で、同指数は22日時点で14年末に比べて3割安い水準だ。

 日本も対岸の火事ではない。「日用品やペット用品ではアマゾンが最大の商売敵だ」。ホームセンター最大手、DCMホールディングスの熊谷寿人・取締役執行役員はこう語る。

 アマゾンは20日、日本でオフィス用品などの法人向け通販を始めたと発表した。競合するアスクルの株価は翌21日からの3営業日で8%も下落、MonotaROも14%安となった。

 店舗に足を運ばず、時間と労力を節約したい消費者は増える一方だ。「ここ2年くらいはスーパーに行った記憶がない」。都内に住む会社員の井上真理子さん(26)。日用品はもちろん、ミネラルウオーター、牛乳、納豆などの飲食料品もアマゾンで購入している。

 アマゾンは8月に高級スーパーの米ホールフーズ・マーケットを買収し実店舗にも進出。経営ノウハウを蓄積する一方、生鮮品のネット宅配拠点にも活用するもようだ。「我々もアマゾンに買収され、倉庫になってしまうのでは」。国内の大手食品スーパー幹部は危機感を強める。

 国内上場の小売業、約260社の26日の時価総額の合計は約32兆円。すべて束になっても、アマゾンの時価総額、約51兆円の6割程度と遠く及ばない。

 成長力の差も大きい。国内上場の小売業の時価総額は5年前と比べると2.3倍だが、アマゾンは5.8倍だ。株式市場は、ネット消費時代の本格到来を高らかに告げている。



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