軽減税率の論点(2)経理方法に3案 一長一短 不正防止か負担緩和か 2015/10/30 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済面にある「軽減税率の論点(2)経理方法に3案 一長一短 不正防止か負担緩和か」です。





 複数の消費税率が混在する軽減税率では、納税額を正しく算出する経理の方法が一段と重要になる。現時点では3案が浮上するがどの制度も問題を抱える。事業者の事務負担を減らそうと経理方式を簡素にすれば、益税が拡大する矛盾を抱えているためだ。

 「いろんな意味で一長一短はある」。29日の与党税制協議会終了後、宮沢洋一自民党税制調査会会長は複数税率導入に伴う企業の経理方式についてこう語った。

 消費税は客から受け取った税額から仕入れのときに支払った税額を差し引いた分を税務署に納める仕組みだ。事業者の取引でいくらの消費税がやりとりされているかを把握する経理方法として、財務省は長年、欧州連合(EU)型インボイス(税額票)と呼ぶ仕組みを推してきた。

 税額票はモノを売った側が買い手に渡す伝票で、商品ごとに消費税額を記録している。例えば消費税率8%で税抜き価格が100円の商品を売買すれば、価格の隣に8円と書く。税額を足し合わせるだけで納税額を計算できる。事業者ごとに割り振った番号も明記するためきちんと納税しているかも検証しやすい。

 だが、税額票方式になれば事業者は新しい伝票を作ることになる。「中小・零細事業者は耐えられない」(清水信次日本チェーンストア協会会長)と猛反発。現行の請求書を使う簡易版の税額票方式でも「複数税率に対応したシステムを導入する手間は変わらない」(日本商工会議所)。中小企業の間では「税額票が導入されれば、取引の実態が当局に筒抜けになり徴税強化になる」との声もある。

 与党内でささやかれているのが「みなし課税方式」と呼ばれる仕組みだ。売り上げと仕入れそれぞれに占める軽減税率の対象品目の割合を業種ごとにあらかじめ決めておく。対象品目をいちいち記録しておかなくても簡単に税額の計算ができるのがミソだ。

 だが、この方式は本来納めるべき税額と実際の税額に差が出てしまう問題がある。どんぶり勘定で売上高や納税額を決める面があり経済取引に応じて課税する消費税の原則から外れてしまう懸念が根強い。経理方式を巡る議論は袋小路に陥っているようにも見える。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です