迫真 ビットコイン狂騒曲(4)「直接買いませんか」 2017/9/22 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合面にある「迫真 ビットコイン狂騒曲(4)「直接買いませんか」」です。





 「ビットコインがない生活なんて想像できない」。レストラン、映画鑑賞券、新幹線のチケット……。都内に住む女性会社員(31)は買い物の大半をビットコインで済ませる。購入した600万円分は3千万円以上に値上がりした。スマートフォン(スマホ)をかざして直接払うだけでなく、ビットコインを入金して使うデビットカードも活用。「ビットコインが使えない店で初めて現金を出します」

ビックカメラは7月からビットコインを全店で利用可能に(ビックロビックカメラ新宿東口店)

 家電量販店のビックカメラが全店で支払いに対応するなど国内で使える店は1万カ所を超えた。他の投資商品にはない決済手段として使える魅力が個人をひきつける。ビットコインの国内保有者は70万人を突破した。

 独自の経済圏を築きつつあるビットコインだが、別の問題も浮上している。課税の問題だ。

 「ビットコインを使用することで生じた利益は所得税の課税対象となります」。8月下旬、国税庁のホームページ上にこんな一文が掲載された。仮想通貨の売却益や決済時の値上がり益への課税方針を明確化。所得区分は雑所得に当たるとし「税逃れを防ぐ」(国税庁)という。

 「税金をどう抑えるのか」。34歳の男性は税理士事務所に駆け込んだ。3年前に800万円で購入した仮想通貨が3億円に値上がりしたからだ。値崩れ前に円に換えようと考えたが、所得税と住民税で最大55%の税率が課される。資産管理会社を設立して仮想通貨の一部を移し、少しずつ売却することにした。

 抜け穴も少なくない。海外取引所を利用している場合やスマホアプリやソフト版のウォレット(電子財布)など足のつかない方法で管理している人をどこまで調べられるかは未知数だ。

 「ビットコインを直接買いませんか」。ネットの専門サイト上でこんなやり取りが交わされる。課税を逃れたい利用者同士が連絡を取り合ったうえで直接会ってビットコインと現金を交換する。9日までの1週間で世界で過去最高の5300万ドル(57億円)が相対で売買された。日本でも関係者の間で有名な「密会スポット」が存在する。

 相続税上の扱いも問題だ。亡くなった人がビットコインを持っていても、口座の暗証番号を本人しか知らなければ引き出すことができない。利用拡大に課税制度が追いつかず、常に「脱税」の2文字が見え隠れする。「金融商品にある法定調書のような報告の仕組みが必要だ」。PwC税理士法人の中村賢次(46)は指摘する。

(敬称略)



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