迫真 マイナンバー序曲(3)夜の副業、ばれませんか 2016/02/11 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合1面にある「迫真 マイナンバー序曲(3)夜の副業、ばれませんか」です。





 東京・銀座のクラブ「レフティー」のみね子ママは悩んでいた。店にいる6人の女性のうち、給与を支払う際などに必要な個人番号を教えてくれたのは半数。残る3人の口は堅い。彼女たちは言う。「昼間勤めている会社に、ここでアルバイトしていることがばれませんか」

夜の銀座で働く女性の7~8割はアルバイトだ(東京・銀座)

 マイナンバー制度の導入で個人の所得が正確に把握できるようになり、副業していることが職場に知られてしまう。夜の街でよく聞く話だ。コトはそれほど単純ではないが、従業員が実際に納めた住民税と、支払った給与から算出した税額の差から会社が気づく可能性はある。日本では大半の企業が就業規則で副業を禁じている。

 クラブやバーなど約1500社が加盟する銀座社交料飲協会(東京・中央)によると、店で働く女性の7~8割はアルバイトとして通う会社員や学生。「マイナンバーをきっかけに店をやめられたらどうしよう」。みね子ママの心配は尽きない。

 黙認されていた不都合な真実がマイナンバー制度で白日の下にさらされる。不安はネオン街以外にも広がる。

 「マイナンバーのおかげで、貴重な働き手である留学生がやめてしまうかもしれない」。あるファストフードチェーンの幹部は顔を曇らせる。

 留学生は週28時間まで働くことができる。当然、雇用先は上限を超えないように調整してもきた。だが、実態は「生活費や学費を稼ぐため、複数の職場で働く学生も多い」。A社で15時間、B社で15時間。合計だと28時間を超える「ダブルワーク」も珍しくないという。

 一方で個人番号は留学生にも割り振られている。ダブルワークがわかってはまずいと、勤務時間を減らさざるを得なくなる。深刻な人手不足にさらされる外食店に、また一つ新たな頭痛の種が生まれた。

 茶封筒に入れた日当を労働者に手渡すなど給与や税金の管理がずさんだったり、従業員の社会保険料を未払いにしたり。小規模な建設会社では決して少なくないが、ここにもマイナンバーのメスが入ることになる。

 ただマイナス面ばかりでもない。水道工事の木村工業(東京・大田)は従業員約90人の9割からマイナンバーを集めた。2014年から社内で勉強会を開くなど管理体制を整えた効果が表れた。社長の木村晃一(53)は話す。「業界全体が健全になるきっかけになれば、就職希望者も出てくる」

(敬称略)



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