迫真 動かぬ個人資産1800兆円(4)販売変える「脱サラ組」 201 7/8/17 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合面にある「迫真 動かぬ個人資産1800兆円(4)販売変える「脱サラ組」」です。





 「毎月分配型やテーマ型など人気のある投資信託は実は注意が必要です」。7月29日、東京都千代田区の帝国ホテル。30人ほどが集まったセミナーで福田猛(38)は投信市場の問題点を丁寧に説明していた。

富山市のFan本社を訪れた投資初心者の女性たち

 元公務員の60代男性は今春の退職後、証券会社に勧められるままに毎月分配型の投信を数百万円購入し早くも含み損を抱えた。営業マンに不信感を抱き福田のセミナーに参加したという。福田は長期運用を軸に資産状況やライフプランなど顧客ごとに異なる金融商品を提案する。「何となく抱えていた老後の不安が和らいだ」と男性は話す。

 福田は大和証券で10年間、1000人以上の顧客を担当した営業マンだ。2012年に独立を決め現在はファイナンシャルスタンダード(東京・千代田)の代表を務める。業務内容は「IFA」と呼ばれる独立系の投資アドバイザー。証券会社や銀行など既存の金融機関から独立した立場で資産運用を助言する。04年に導入され、国内の事業者数は850超になる。

 「老後を考えたら今から投資を始めた方がいいかなと」。6月12日、会社員の金田沙織(23)は同僚と富山市内のIFA、Fanのオフィスを訪ねた。「積み立て投資で無理なく増やしてはどうですか」。こんな助言を受けて毎月1万円ぐらいから投資をしてみようと決めた。

 Fanに在席する35人のIFAは、ほぼ全員が証券会社の第一線で活躍してきたトップセールスだ。「当たり前のことを当たり前にやりたい」。運営する尾口紘一(34)も08年に日興コーディアル証券(現SMBC日興証券)からの独立を決意した。リーマン・ショック後のどん底から地道に顧客開拓を続け口座数は5000を超えた。

 「商品を売るだけでいいのか」。3月に大手証券から独立した男性はそんな疑問を抱いていた。現場には常に「必達のノルマ」が課せられる。会議で進捗を確認される中で「顧客の資産ではなく数字をつくることが最大の課題になっていった」。

 大手証券の営業担当者は3~4年での交代が多い。IFAなら「かかりつけ医」のように長期にわたり顧客と付き合える。子や孫の代までのサポートも可能だ。米国では個人の金融商品販売でIFAのシェアは6割を超える。日本ではまだ発展途上で数%にも満たないが、IFAを志す「脱サラ組」の奮闘は金融商品の販売現場を変える可能性を秘める。

(敬称略)



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