迫真 始動日米経済対話(4)対米投資損得つかめず 2017/4/20 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合面にある「迫真 始動日米経済対話(4)対米投資損得つかめず」です。





 「次はワシントンで会いましょう」。日米経済対話から一夜明けた19日午後、米副大統領のマイク・ペンス(57)は都内のホテルで開いた非公開の小会合で経団連会長の榊原定征(74)にこう語りかけ、今秋の再会を約束した。米商務長官のウィルバー・ロス(79)も参加した日米企業との懇談会には榊原のほか、トヨタ自動車社長の豊田章男(60)や三菱重工業社長の宮永俊一(68)ら5人が参加。テーマは日米で推進する女性活躍にもおよび、懇談は約50分と予定の2倍に及んだ。和気あいあいに映った会合の前、日本の経済界ではさざ波が立っていた。

日米企業との懇談会にはトヨタの豊田社長(左)らも参加した(19日)=ロイター

 「誰が呼ばれるんだ」。今月前半、ペンスが日本企業と少人数会合を希望していると伝わると出席者に注目が集まった。メキシコに工場建設を予定するトヨタを名指しして米国での投資を求めたトランプ政権。経団連は企業のリストを米大使館に提出したが、米側は招待企業をギリギリまで明かさなかった。

 ペンスは会合で米国内での投資や雇用拡大を要請した。少人数会合はトランプ政権との距離を縮める絶好のチャンスだが、リスクとも裏腹だ。ある大手メーカー首脳は「対米投資で約束できることはない。呼ばれなくてよかった」と漏らした。

 2月末、経団連は米議会の動向や通商政策を調査する作業部会を内々に立ち上げ、米法律事務所などを通じて独自の情報網づくりに着手。法人減税や規制緩和などトランプ政権が推進するプロビジネス(親企業)路線は歓迎しつつ、警戒も解かない半身の構えだ。

 今月7日。JR東海名誉会長の葛西敬之(76)らが副総理・財務相の麻生太郎(76)を訪ねた。米高速鉄道プロジェクトへの力添えを頼むためだ。葛西にとって「マグレブ」と呼ばれる米東海岸のリニア計画実現は悲願だ。トランプ政権は1兆ドル(約108兆円)という巨額のインフラ整備計画をぶち上げビジネス関係者の期待も強い。だが日本政府が事前調整でインフラ整備の協力を優先事項と訴えたのに共同文書には「分野別協力」とそっけなく書かれただけ。

 米連邦議会との関係が良好とはいえないトランプは政権運営に大きな不安を残し、企業も対米投資に動くことの損得がつかみ切れない。経済界の悪戦苦闘はほんの序の口だ。

(敬称略)

 上杉素直、河浪武史、木原雄士、竹内康雄、重田俊介、八十島綾平、中村亮が担当しました。



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