迫真 文在寅の韓国(4) 「反日大統領」の虚実 2017/5/20 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合面にある「迫真 文在寅の韓国(4) 「反日大統領」の虚実」です。





 「安倍に“直球”!」「出発点から正面衝突」。韓国大統領、文在寅(ムン・ジェイン、64)の日本との「初仕事」を韓国メディアはおおむね評価した。就任の翌11日、首相、安倍晋三(62)との電話協議で、文は従軍慰安婦問題の日韓合意を「韓国国民の大多数が情緒的に受け入れられない」と言い切った。

文氏は昨年7月、島根県の竹島を訪れた=聯合・共同

 日本側に映った姿は「反日大統領」では必ずしもない。関係者によると、冒頭、文は安倍とは小泉純一郎、盧武鉉両政権で官房長官と秘書室長の間柄だったと切りだし「またお話しできてうれしい」と語りかけた。両首脳のシャトル外交の復活を提案する一方、大統領選の公約だった慰安婦合意の再交渉には触れなかった。「政治家だ。日韓どちらにも良い顔ができる」と日本政府高官をうならせた。

 小泉・盧武鉉時代は日韓当局に残る苦い記憶だ。竹島(韓国名・独島)の領有権や小泉の靖国神社参拝をめぐり「外交戦争も辞さない」と盧が過激な表現で日本を非難した当時、参謀だったのが文。シャトル外交が途切れたのもそのときだ。電話で「未来志向」の言葉を何度も使った文に日本側は関係改善の意欲を感じとった。が、文の「信念」への警戒は解いていない。

 2012年の前回大統領選時の「対日『五大懸案』解決に関する構想」がその一つ。慰安婦問題に加え、竹島問題も「日本の挑発に絶対に妥協しない」。日本統治時代の朝鮮半島出身者の徴用工問題では「日本の戦犯企業」への入札規制など次々ぶちあげた。竹島には昨年7月に上陸。「盧DNA」が文に宿る。

 革新系政権が誕生した10日、韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会(挺対協)は「日本軍性奴隷制の基本からもう一度始めよう」と慰安婦合意の破棄を求める声明を出した。前大統領、朴槿恵(パク・クネ、65)の弾劾・罷免要求デモを主導した市民団体や労働組合が文の応援団から圧力団体へと変貌する。

 折しも国連の委員会が「被害者対策が十分とはいえない」と慰安婦合意の見直しを勧告し、日韓新関係はいきなり試験台に立たされた。韓国で「反日」は結束しやすい。安倍にみせた文の配慮がいつまで続くのか。

 「ピープルパワーで生まれた政権だと強調してほしい」。16日、文はこう指示し、日米中ロの「周辺4強」に特使を送りだした。始動した文外交は「民心」の風に漂う。

(敬称略)

 峯岸博、鈴木壮太郎、山田健一が担当しました。



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