迫真 民泊狂騒曲(2)商機か荒れ地か 2016/01/27 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合1面にある「迫真 民泊狂騒曲(2)商機か荒れ地か」です。





 今春から東京都大田区で民泊ビジネスを計画する大京。空き家となっている戸建て住宅を購入し、内装などを改装した上で旅行者を6泊7日以上で受け入れるアイデアを温める。

大京の紹介で沖縄県のマンションをモニター利用した家族は「子供連れなので自炊が楽」と話す

 「需要は十分にある」。実動部隊となる大京穴吹不動産(東京・渋谷)の社長、海瀬和彦(59)の鼻息は荒い。自信の背景にあるのは沖縄県での予行練習だ。昨年、「旅家」という部屋の仲介サービスを始め、これまで那覇市や宜野湾市などにある17戸分を紹介している。

 部屋はオーナーが日ごろ住んでいない分譲マンションだが、家電や家具、調理器具はそろっている。管理人も常駐し滞在者の相談に乗る。大京が開設した専用サイトで予約し、クレジットカードで支払う仕組みで、大田区の民泊でも同様の決済システムを活用する予定だ。

 問題は利用客の数だ。旅家では法規制に抵触しないよう1カ月以上の長期滞在を条件とする。取り込めるパイは小さく、採算は合わない。需要を探るため、試験的に1週間の無料滞在のモニターを募集したところ約630組分もの応募が殺到した。潜在需要の大きい東京都で6泊7日以上の設定なら勝算があるとソロバンをはじく。

 「このタイミングを逃してはいけない」。東京都多摩地区を地盤とする京王電鉄は昨年末、民泊の予約仲介サイト運営の百戦錬磨(仙台市)に10%出資した。仕掛けたのは経営企画部戦略担当課長の吉田智之(40)。ベンチャー企業とのマッチングイベントで出会った百戦錬磨の担当者から第三者割当増資の打診があり、飛びついた。

 沿線にある高尾山は外国人観光客の人気スポットで、多摩ニュータウンなどで民泊が活用できるようになれば京王グループの利益は大きい。規模も数値目標も盛り込めない吉田の資料に、社内には懸念の声もあったが、最後は「我々で新しい市場を作っていこう」と社長の永田正(64)のゴーサインが下りた。

 新規参入組が動き出す一方で既存業界は身構える。「天変地異が起きたとき、お客の身分がしっかりわかることが宿泊業の前提条件。お客を管理できないものを宿泊と決して呼ばない」。日本旅行業協会会長の田川博己(68)は1月7日に都内で開いた記者会見でこう訴えた。

 商機とみて踏み込むか。末は荒れ地と距離を置くか。法制度の行方もにらみつつ、民泊ビジネスは手探りが続いている。

(敬称略)



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